福島原発避難、二審も国責任否定 仙台高裁、東電に追加支払い命令

 東京電力福島第1原発事故で精神的苦痛を受けたとして、福島県から山形県への自主避難者ら約670人が計約20億円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は17日、国の賠償責任を認めなかった一審山形地裁判決を支持し、避難者側の控訴を棄却した。一方、一審判決後、国の指針で賠償額が増額されたとして、一部の原告に追加で計約6千万円を支払うよう東電に命じた。

 石栗正子裁判長は「事前の知見では大津波の予見可能性は低く、また防護措置を取ったとしても事故を回避できたとは認められない」と指摘した。

 避難者側の代理人弁護士は判決後の記者会見で「本当に残念だ。上告する方向で検討する」と話した。

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