「渦が巻きはじめてガサガサ、ゴトゴト何か揺られて」相次いだ突風のワケは“上昇気流” 養鶏場などで被害相次ぐ【詳報】

静岡県内では1月16日発生した突風による被害が明らかになり、富士市の養鶏場では屋根が飛ばされるなどして最大500万の被害額になるおそれもあります。突風が相次いだ背景には、いまの時期、特に注意したい特徴がありました。

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<中井秀カメラマン>
「突風により小屋の屋根が飛ばされているのがわかります」
「南の方から北の方に突風が吹いたのでしょうか。この道筋で被害が出ているように感じます」

富士市今宮にある養鶏場です。

<養鶏場職員>
Q突風の被害はどのあたり?
「あの畑から急に渦巻くような(大型)トラックサイズの大きい渦が巻きはじめて(飛んで)ガサガサ、ゴトゴト何か揺られて、風の強い時の音」

飛ばされた屋根が車に当たり、フロントガラスも破損。約200メートル先まで飛ばされたものもあったということで、職員は朝から片付けに追われました。

被害の様子をとらえた写真にはトタンがめくれあがったり、ありえない方向に傾いたハウスの状況が記録されていました。

<養鶏場職員>
Q小屋も斜めになっているが被害の一部?
「これも竜巻による被害で、本当はここにあったが風で押されて斜めになっちゃった」

鶏小屋も約45センチ移動。竜巻の発生を目の当たりにし、目の前を通過したため、傾いた鳥小屋を思わず支えたそうです。

<養鶏場職員>
「ガタガタいびつな形になっちゃっているので、鳥がびっくりして卵を産まなくなっちゃうとか(心配)」

静岡県内では16日、突風が相次ぎました。動画が撮影されたのは静岡市葵区の安倍川沿い。砂が渦を巻いて迫ってくる様子が映されていました。静岡地方気象台によると、砂を巻き上げて渦巻き状に回転する「塵旋風」とみられる現象だといいます。

また、裾野市でも強い風によってカーポートが割れるなどの被害が確認されています。なぜ、各地で突風が発生したのでしょうか。

<田中健太郎気象予報士>
「16日、西高東低、冬型の気圧配置が高まり、静岡県内では強風が吹いていました。また、よく晴れていたため、日差しの力で地面が温まり、上昇気流が発生し、強風が渦を巻いた可能性があります」

青空が広がった静岡県内。そこに冬型の気圧配置で風が吹きやすい状況が相まって各地で突風が発生したとみられます。

<田中健太郎気象予報士>
「今後も冬型の気圧配置が強まるときは強風や突風に注意が必要です」

被害にあった養鶏場では、鳥たちへの影響も考えて、早く復旧作業に当たりたいものの頭を抱えています。

<養鶏場職員>
Q直すといくらくらい?
「200万から500万くらいだと思います。やりようがないから途方に暮れるというか」

どこにでも起こりうる突風被害。いまの時期だからこそ、飛ばされやすいものの固定など対応を急いだほうがよさそうです。

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