メトロイドヴァニア初心者でも楽しめる!「プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠」プレイレポート

ユービーアイソフトより2024年1月18日に発売されるPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Ubisoft Store/Epic Games Store)用ソフト「プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠」のプレイレポートをお届けする。

「プリンス オブペルシャ 失われた王冠」は、ペルシャ王国を舞台にしたメトロイドヴァニア。プレイヤーは、国防の要・不死隊の一員である戦士サルゴンとなって、さらわれてしまった王子ガッサンを救出するため、神秘的な土地であるカーフ山へと足を踏み入れることになる。

なお、本稿はPS5版のプレイをもとにしており、ボタン表記もそちらに準拠したものとなる。また、若干のネタバレ要素が含まれるが、ストーリー関連の言及は避けているので安心して欲しい。

■古き良き魅力を残しつつ、初心者をサポートする機能も備えたマップ探索

舞台となるカーフ山は、半オープンワールドの広大なマップ。古の都市や森、地下墓所など、さまざまなロケーションに分かれている。

各所には隠された秘宝やカーフ山の歴史が分かる収集アイテム、セーブ・回復・装備の変更等が可能な“ワクワクの木”、ファストトラベルポイントなどが散りばめられており、これらを見つけながら目的地へ向かい、物語を進めていくのが主な流れだ。

道中には、アスレチック要素やパズルもふんだんに用意されている。
ワクワクの木はゲームオーバー時のリトライポイントも兼ねているので、優先して探すと良いだろう。

ゲームモードは、自由に世界を探索できる“探索モード”に加え、次の目的地や移動可能/不可な道を表示するマーカーがマップに表示される“ガイドモード”も選択可能。今回は主にガイドモードを使用した。

ガイドモードの良い所は、メインストーリーの目的地こそ表示されるものの、そこまでの道のりは自分で見つける必要がある点。探索の楽しさを失わせることなく、初心者の背中を押してくれる。

マップの各所には、到達時点で先へ進めない道も存在し、ゲームを進めてさまざまな能力を獲得してから戻ってくる必要がある。そんな時に役立つのが“記憶のかけら”。現在地のスクリーンショットを撮り、マップにピン留めすることができる。

便利な機能だが、ユニークなのは消費型であるという点だ。数を増やすことはできるが無駄遣いはできず、プレイヤー自身の記憶とあわせて、計画的に使っていく楽しさがある。

また、とあるキャラクターから、一部エリアの地図やヒントを購入することもできるため、こちらも探索に役立てよう。

保存した画像は、ピンにカーソルを合わせるだけで表示される。

これらは良質なサポート機能だが、いずれも“サポートし過ぎない”という所にこだわりを感じた。派手なシステムではないが、自分の手でマップを解放しつつ進んでいくという、古き良きメトロイドヴァニアの醍醐味が、初心者でも気軽に味わえるというのは重要なポイントだ。

探索や戦闘をこなしていくと、サルゴンにパッシブボーナスを付与するアミュレットや、武器などを強化するための資源を入手できる。

アミュレットは体力等を強化するものだけでなく、アクションの種類自体を増やすものまで幅広く、プレイスタイルを大きく変えることも。装備にはアミュレットスロットを消費するが、装備可能なスロット数を増やすアイテムも道中で手に入るので、これまた探索のしがいがある。

道中で出会うキャラクターにアミュレットなどのアイテムをもらうことも。

さらに、物語を進めていくと“時の力”という能力を扱えるようになる。空中でダッシュする“シムルグの猛進”、基準となる地点を作り、後から作った地点にテレポートで戻れる“シムルグの幻影”など、どれも探索の幅がグッと広がるものばかりだ。

具体的にどのように活用するかの言及は避けるが、なるほどと思う瞬間が何度もあったので、頭を柔らかくして挑戦して欲しい。

個性豊かなキャラクターたちから受けられるサイドクエストも、探索欲を掻き立ててくれる。

■爽快感溢れるアクション!ハードなボス戦にも注目

若き戦士である主人公サルゴン。□ボタンを連続で押すと双剣による連撃を仕掛けるほか、長押しのチャージ攻撃やスティック入力による上下の打ち分けなどを組み合わせて、アクロバティックなアクションを繰り出せる。手触りは直感的の一言で、アクションゲームに多少触れたことがあれば、早いうちに操作感を掴めるはずだ。

敵の攻撃はR2ボタンで回避もできるが、L2ボタンをタイミングよく押せば“受け流し”が発動。敵の攻撃や発射物によるダメージを100%防げる。一部の発射物は跳ね返すことも可能だ。

ただし、敵の頭上に赤い光が表示されたときに発動する防御不可の攻撃は、受け流し不可なので注意が必要。受け流そうとすると大ダメージを受けてしまうので、こちらは回避する必要がある。

逆に、黄色の光が敵の頭上に表示されている場合は、受け流すことで強力な反撃が発動。状況に応じて回避と受け流しを使い分けるのカギだ。

ド派手な反撃アニメーションも魅力の一つ。

ゲームを進めると、遠距離武器である弓も扱えるようになる。△ボタンとスティック入力で好きな方向へ矢を放てるほか、長押しで貫通性能のあるチャクラムに変化。投げたチャクラムは一定距離を進むとブーメランのようにサルゴンの位置へ戻ってくるため、背後から敵を攻撃することも可能だ。

以上の基本的な近接・遠距離攻撃に加え、ゲージを溜めることで発動可能なアビリティ“アスラの神技”も習得できる。あらゆる守りを破る貫通攻撃“ウルスラグナの強打”、アスラを操って回復ゾーンを作成する“バフマンの息”など、さまざまな技が用意されており、2つまで装備可能だ。

これだけでもかなり充実した戦闘を楽しめるのだが、各アクションやアミュレットの特性・組み合わせを理解することでさらに深みを増していく。

例えば、弓は空中で打っている間、その場に留まるため、地上への攻撃を避けながら反撃するのに有効。投げて戻ってきたチャクラムは、発射物と同様に受け流しで跳ね返すことができ、連続で跳ね返すことで、敵を近づかせずに攻撃し続けることも可能なのだ。

そのほか、HPが徐々に回復するアミュレットと、HPが満タンの際に攻撃力が上がるアミュレットを組み合わせれば、有利に立ち回り続けることも。時の力、アスラの神技とのシナジーも考えると、実に多様な戦い方を楽しめる。

戻ってきたチャクラムとサルゴン自身の攻撃で挟み撃ちを仕掛けることも。チャクラムはとりあえず投げておけば、何かと仕事をしてくれる。

そして、これらを総動員して挑むのがボス戦だ。ボスたちは道中の敵とは比べ物にならないほど強力で、時にはエリア全体に及ぶ攻撃を仕掛けてくることも。サルゴンの持つ回復薬は使用回数に限りがあるので、各アクションや時の力を駆使して猛攻をかわしつつ、隙を突いて敵のHPを削っていくのが基本的なスタイルとなっている。

戦闘が佳境に差し掛かると、受け流しによる反撃チャンスもあり、成功すれば戦況を変え得る大ダメージを与えられるので、これを逃さないのも重要だ。

ボス戦は、熱い演出も見どころの一つ。死闘の末、勝利の雄たけびをあげるのは敵か味方か、はたまたプレイヤーなのか。ヒリつく戦いを存分に楽しんで欲しい。特に終盤は心が折れかけるほど強いボスもいたので、アクションに自信があるという人も注目だ。

ちなみに、戦闘の難易度はプリセットされた4段階に加え、自分好みにカスタムも可能。探索面では、難しいアクション部分をスキップできる機能も付いており、こちらもサポート面は万全だ。

インディーズゲームをはじめとして再び盛り上がりを見せているものの、尖った作品も多いメトロイドヴァニア。しかしながら本作は、独自性のある魅力というより、メトロイドヴァニアというジャンルそのものの楽しさを再認識させてくれるような作品だった。

メトロイドヴァニアの入り口としても自信を持ってオススメできる1本なので、あまり馴染みがないという人も、ぜひ遊んでみてはいかがだろうか。

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