日本と欧州で!胸ロゴに「モバイル」を付けた8つのチーム

J1王者ヴィッセル神戸の新ユニフォームが16日に発表となり、その胸に付くスポンサーロゴマークは昨季に引き続き「Rakuten Mobile」に決まった。

サッカー界には携帯電話や通信事業者のモバイル系胸ロゴがいくつも存在するが、「○○ Mobile」という形式のロゴはそれほど多くない。中には既に絶滅したブランドもある。

ここでは、そんなモバイルロゴを持つ8チームを「○○ Mobile」形式に限定してご紹介しよう。

レアル・マドリー

レアル・マドリー 2003-04 adidas ホーム ユニフォーム

胸ロゴ:SIEMENS mobile

2000年代の一時期はサッカーユニフォームでのモバイルロゴを代表する存在となっていた「SIEMENS mobile(シーメンス・モバイル)」。“m”の1文字を赤く彩るブランドロゴが印象的だった。

シーメンス・モバイルはドイツ企業シーメンス社のモバイル部門だったが、業績悪化により台湾のBenQ(ベンキュー)に売却され「BenQ SIEMENS」にブランド名が変わる(現在は消滅)。

レアル以外ではイタリアのラツィオ、フランスのボルドー、ギリシャのオリンピアコスなど、幾つかのチームが「SIEMENS mobile」ロゴを付けていた。

バーンズリー

バーンズリー 2023-24 Puma ホーム(赤) アウェイ ユニフォーム

胸ロゴ:US MOBILE

たまにプレミアリーグのバーンリーと間違われることもあるが、こちらは今季EFLリーグ1(3部リーグ)を戦うバーンズリーのユニフォーム。1887年に創設され、100年以上前(1911-12シーズン)にはFAカップを制したこともある超古豪だ。

クラブは今季からアメリカの通信事業者「US MOBILE」と胸スポンサー契約を締結。胸にイーグルのロゴマークを付けている。同社は自前の回線を持たないMVNO事業者(いわゆる格安スマホ)だが、近年急成長を見せる注目の企業だ。

今季のユニフォームはスポンサー企業に忖度したのか、それとも要望があったのかは分からないが、これまで一度も使ったことのない星デザインを採用。アメリカ国旗を想像させるこのユニフォームは、現在のところ「バーンズリー史上最悪デザイン」の烙印を押されている。

ユヴェントス

ユヴェントス 2001-02 Lotto CLホーム ユニフォーム

胸ロゴ:Tu mobile

イタリアのユヴェントスは2001-02シーズンのチャンピオンズリーグ用ユニフォーム(ホーム、アウェイ)に、「Tu Mobile」のロゴマークを付けていた。ユヴェントスがモバイル系のスポンサーロゴを付けたのは、このCLモデルのみとなっている。

01-02シーズンのセリエAなど国内用のユニフォームは胸スポンサーが「FASTWEB」だったが、ロゴデザインの良さもあって「Tu Mobile」のほうが人気は高かったという印象だ。

「Tu Mobile」はイタリアのモバイル系企業だったようだが、残念ながらそれ以上のことは当時も現在も詳細不明である。

サンプドリア

サンプドリア 2020-21 Macron ホーム ユニフォーム

胸ロゴ:VERY MOBILE

港町ジェノヴァがホームタウンの古豪サンプドリア。このクラブには元日本代表DF吉田麻也(LAギャラクシー)が1シーズン半ほど在籍していたが、加入シーズンのユニフォームは「VERY MOBILE」のロゴを付けていた。

2020年にサービスを開始した「VERY MOBILE」は、自前の回線を持たないMVNO事業者(いわゆる格安スマホ)。サンプドリアとはこの1シーズンのみの契約に終わっている。

契約発表当時は、世界有数の美しさを誇るサンプドリアのユニフォームにふさわしくないブランドロゴなどと酷評する声もあったが、キットカラーに合わせてロゴ色を変えるなど配慮も見られ、このユニデザインの評判もそれほど悪くない。

チェルシー

チェルシー 2005-06 Umbro ホーム ユニフォーム

胸ロゴ:SAMSUNG mobile

プレミアリーグの強豪チェルシーは、クラブ創設100周年シーズンに韓国のテクノロジー企業サムスン電子と契約。2007-08シーズンまでの3年間は胸に「SAMSUNG mobile(サムスン・モバイル)」のロゴマークを付けていた。

08-09シーズン以降は「SAMSUNG」のみに変更となり、14-15シーズンまでの10年間にわたりパートナーシップを形成。その間に3度のプレミアリーグ優勝、4度のFAカップ優勝を成し遂げ、11-12シーズンはチャンピオンズリーグも制覇。文字通りの黄金期をともに歩んだ間柄だ。

サムスンといえば韓国Kリーグの水原三星ブルーウィングスも有名だが、こちらは「SAMSUNG mobile」のロゴを付けたことはなく、携帯端末のGALAXYなど主にサムスン電子の製品名が多い。

フラム

フラム 2021-22 adidas ホーム ユニフォーム

胸ロゴ:WORLD MOBILE

イングランドのフラムは2部のチャンピオンシップに降格した2021-22シーズンのユニフォームに、新世代の通信事業者「WORLD MOBILE」のロゴを付けていた。契約はこの1シーズンのみで終了している。

ブランドロゴの色使いが独特な「WORLD MOBILE」は従来の通信企業とは少し異なり、ブロックチェーンを利用したサービス(ブロックチェーン・スマホなどとも呼ばれる)を展開する企業。全世界でのデジタルデバイド(情報格差)の解消を目標に掲げている。

このロゴを付けたシーズンのフラムは、27勝9分10敗で勝点90を獲得。総得点106という圧倒的な破壊力でチャンピオンシップを優勝し、1年でプレミアリーグ復帰を果たしている。

ヴィッセル神戸

ヴィッセル神戸 2023 Asics ホーム ユニフォーム

胸ロゴ:Rakuten Mobile

2023シーズンのJ1リーグで悲願の初優勝を成し遂げたヴィッセル神戸。クリムゾンレッドからブラックへと移り変わるグラデーションカラーは“強者のデザイン”となった。

その2023シーズンのユニフォームから胸スポンサーは「Rakuten」から「Rakuten Mobile(楽天モバイル)」に変更となり、モバイル系のスポンサーロゴを付けている。

2019年のサービス開始当初は数ある格安スマホの一つと見られていた楽天モバイルだが、最近は自社回線を増やすなどしてMVNOからMNOへの移行期。言わばクラブは重要な時期にロゴマークを付けているということになる。それだけに昨季の優勝は楽天モバイル側にとっても、イメージ向上という点で大きな出来事だったに違いない。

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン

ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン 2005-06 Diadora ホーム ユニフォーム

胸ロゴ:T-Mobile

今やサッカー界における通信系スポンサーの巨人となったドイツテレコム。「T」のロゴマークが有名なドイツの通信企業だ。ブランドロゴは複数存在するが、2000年代は「T-Mobile」のロゴを見かけることが多かった。

ドイツテレコムといえばバイエルン・ミュンヘンのスポンサーとして有名だが、イングランドでも2004年からウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)と契約し、4シーズンでピンクのロゴを掲出している。

今季「日本企業の胸ロゴを付ける」5つの欧州チーム

その当時のチームには稲本潤一(南葛SC)が2004-05、05-06の2シーズンで所属し、このロゴのユニフォームに袖を通している。当時日本のサッカーファンの間では、バイエルンと同じくらいに「稲本のチームのロゴマーク」としても認知されていた。

そしてこのロゴといえば、WBAが04-05シーズン最終節でプレミアリーグ残留を決めた“グレートエスケープ”と呼ばれる奇跡の残留劇を思い出さずにはいられない。

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