ギョーザでつなぐ、思いやりのバトン 子どもたちに無料で提供 小山の相原さん「優しさあふれる世界に」

相原さん(中央)の手ほどきを受けギョーザ作りを体験する子どもたち

 思いやりのバトン、ギョーザでつなぎませんか-。栃木県小山市駅東通り1丁目で餃子(ぎょーざ)バー「ぎょうにんべん」を営む相原陽介(あいはらようすけ)さん(44)が、客からの協賛を得て子どもたちに無料でギョーザを振る舞う「恩送り」の活動を広げている。相原さんは「自分が恩を受けた感謝の気持ちを子どもたちに広げ、優しさあふれる世界にしたい」と話している。

 相原さんは仙台市出身。経営していた飲食店が5年前に倒産し、1億円の負債を抱え自己破産。だが支援者に恵まれ、宇都宮市内で小さなギョーザ店を開業して再起した。

 かつて小山市内で働いていた縁もあって2年前、現店舗をオープン。注文を受けてから皮を延ばしてあんを詰める、こだわりの逸品は評判となっている。

 一方、仕事の都合などで東日本大震災で被災した地元への支援もままならなかった自分に対し、「もやもやとした思いが募っていた」。そうした中、ある映画の中で「恩送り」という言葉を知り、「これだ」と思ったという。

 常連客らの間で共感が広がり、昨年11月から「餃子でつなぐ思いやりのバトン」と題し、子どもたちを招いた催しを開催。メニューにも「思いやりのバトン 890円」と掲げ協賛金を募ることにした。

 昨年12月27、28の両日は、佐野市城北小の学童野球チーム「城北クラブ」のメンバーを7人ずつ招待。「恩を送ることで幸せが広がる」「もらう幸せよりも、あげる幸せの方が満足感がある」といった考え方を披露し、ギョーザ作りも体験してもらった。

 同校4年小曽根瑛大(おぞねえいと)君(10)は「道で困っている人がいたら助けるなど、これからは人のためになることを考えて行動したい」と、相原さんの思いをかみしめていた。

 相原さんは今後、招待する子どもたちをグループ単位で随時募集する。(問)ぎょうにんべん0285.37.6048。

相原さん(右)の手ほどきを受けギョーザ作りを体験する子どもたち

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