丹野こんにゃく(上山)、芸工大生とリゾット開発 ぷるぷる食感生かし、若年層にアピール

「ぷるうまこんにゃくリゾット」を販売する丹野こんにゃくの丹野真敬社長(後列左から3人目)と開発に関わった東北芸術工科大の学生たち=山形市

 丹野こんにゃく(上山市、丹野真敬社長)が粒状にしたこんにゃくと米を混ぜた「ぷるうまこんにゃくリゾット」を商品化した。若者にこんにゃくを食べる文化を広めようと、東北芸術工科大企画構想学科3年生と開発した。レンジで温めて食べる手軽な洋風食品で、こんにゃくの和のイメージを打破した。発表会を17日、山形市で開いた。

 トマト味と豆乳クリーム味の2種類で、丹野こんにゃく特有のぷるぷる食感を生かした。トマトは酸味を残しつつ、まろやかさもある。豆乳クリームはこく深い味わいで、チーズなどでアレンジも楽しめる。こんにゃくは米と5対3の割合で、米の半分以下の大きさにし存在感を抑えた。隠し味に和食の調味料を使い、和のエッセンスも入れた。

 丹野社長によると、食事の欧米化を受け、こんにゃく消費量は20年前から4割減少した。特に若年層への普及が課題で、次世代への継承に危機感を抱いた。若者の発想で新商品を開発しようと、芸工大に共同プロジェクトを依頼した。

 学生は山縣弘忠准教授ゼミの6人が関わった。若者約200人に調査したところ、こんにゃくに対し「ヘルシー」「胃腸の調子を整える」のほか、「調理に手間がかかる」というイメージを持つことが分かった。朝食を抜く人も多く、新商品は簡単に調理でき、朝食に合うリゾットにした。

 パッケージはカラフルでポップなデザインとし、若者の目を引きやすくした。リーダー伊藤萌さん(20)は「新感覚で若者に受け入れられる商品」と胸を張り、米沢市出身の米野菜摘さん(20)は「若者は生活にこんにゃくを取り入れ、山形の食材の多様性を知ってほしい」と話した。

 リゾットは今後、レパートリーを増やす計画。ほかの商品アイデアもあり開発を順次検討する。丹野社長は「海外展開し、世界に山形のこんにゃくの魅力を発信したい」と意気込んだ。

【メモ】 ぷるうまこんにゃくリゾットは200グラム入りで、価格は1個465円。500ワットの電子レンジで1分40秒加熱し食べる。100グラム当たりのカロリーはトマトが68キロカロリー、豆乳クリームが66キロカロリー。丹野こんにゃくの直営店や公式オンラインショップで販売している。問い合わせは同社023(674)2351。

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