今夏、パリ五輪が開催される。陸上教室(13日・大分市)で指導するため帰省した女子短距離の児玉芽生(ミズノ・臼杵市出身)に、東京に続く五輪出場に向けた意気込みを聞いた。
―教室で子どもたちに指導した感想は。
「地元の陸上クラブの子どもたちと触れ合う機会はあまりないので貴重な経験になった。普段は勝負ごとが多く、結果を求めて気が張っていた。参加者の笑顔を見て、走る楽しさを思い出させてくれた」
―昨季を振り返って。
「昨春に故障し、予定していた大会に出られずふがいないシーズンだった。だが復帰直後だった秋の特別国体(鹿児島国体)で100メートル、400メートルリレーで優勝して締めくくれたのは前向きに捉えたい」
―パリ五輪に向けてオフシーズンをどう過ごしているか。
「技術面では苦手なスタートに比重を置き、体の角度や力を発揮する部位などを試行錯誤しながら確かめている。体づくりでは昨年からトレーナーに見てもらい、走る上で必要な細かい筋力強化に努めている」
―いよいよ勝負の年を迎えた。
「最重要選考競技会となる6月の日本選手権まで時間がまだある。練習の負荷を上げ、まずは自己ベスト(11秒24)を出した2年前の状態に近づきたい」
―東京大会は400メートルリレーで出場した。パリ大会への抱負は。
「参加標準記録(11秒07)を突破し、個人種目での出場権獲得を目指す。もちろん日本記録(11秒21)を大きく上回り、現実的に厳しい状況かつ未知の世界だが、記録に挑戦できるわくわく感はある。自分の走りを通して大分の皆さんに活力を与えられるよう頑張りたい」