利用客減や運転手不足で、島鉄タクシー今月末廃止へ 長崎・島原

今月末で廃業する島鉄タクシー=島原駅

 島原鉄道の子会社、島鉄観光(島原市)は17日、「島鉄タクシー」の事業を31日で廃止すると発表した。市内7社の中では大手の一つだが「コロナ禍などによる利用者減少に加え、運転手不足などもあり、事業継続は厳しいと判断した」としている。
 島鉄観光は昨年12月26日、九州運輸局にタクシー事業廃止を届け出て、同日付で受理された。
 島鉄タクシーの利用客数は、2016年度に12万186人だったが、新型コロナ禍で急減。22年度には4万1017人と、16年度比で約3分の1にまで落ち込んだ。
 保有台数は、コロナ禍前の18年度は21台(運転手数15人)。今月17日時点では8台にまで減っている。同社は、現在在籍する運転手11人に対し、島鉄本社の乗り合いバス事業への転向を打診している。
 島鉄のタクシー事業は1969年に子会社の「島鉄タクシー」として開始。2016年に別の子会社の「島鉄観光」と合併した。島鉄観光が担う広告事業や、島原市が運営するコミュニティーバスの運転委託事業は、当面継続する予定としている。

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