「経験生かし後進指導」 女性警官で初 安全運転中央研修所教官 長崎県警交通機動隊・田﨑警部補

「中央研修所での経験を後輩の指導に生かしたい」と話す田﨑警部補=諫早市多良見町、県警交通機動隊

 安全運転研修の“プロ”が集結する自動車安全運転センター安全運転中央研修所(茨城県)で、女性警察官として初めて教官を務めた人が本県にいる。長崎県警交通機動隊本隊第1係の田﨑友美警部補(41)。「白バイ隊で培った現場での執行力と中央研修所で学んだ指導法を後進の育成につなげていきたい」と意気込む。
 中央研修所は公道を緊急走行する電力会社や水道局、医療機関のドライバーらを対象に運転技能を指導。同センター県事務所によると、中央研修所の教官は全国白バイ安全運転競技大会(警察庁主催)で上位成績を残した警察官や、指定自動車教習所の指導員ら。高度な知識と技能を持つエリート集団とも評される。
 田﨑警部補は2005年、同大会の傾斜走行操縦(スラローム)競技で3位に入賞し、20年2月から約3年間、中央研修所に出向。運転上の危険や走行性能の限界を体験する受講者に対し、専門的な実技指導を担当した。
 昨年4月から現職。交通機動隊での勤務は3度目で、後輩への指導にも力が入る。取り締まりなど一人で業務に当たることが多い白バイ隊は、緊張状態の中でも冷静な判断が迫られる。「現場執行力が付くので、女性隊員を育て、女性警察官のレベルアップにつなげたい」と話す。
 そんな田﨑警部補に憧れのまなざしを向けるのが、同じ第1係の山本真奈美巡査(30)。もともとバイクに乗るのが好きで、動画配信サイトで見た白バイ隊の運転技術に魅せられて警察官を志した。

昨年11月に開かれた県警交通機動隊の隊内大会に臨む山本巡査(県警提供)

 当時働いていた職場を辞め、19年4月に拝命。22年3月から交通機動隊に配属され、白バイの特別訓練員として訓練に励む。昨年10月の同大会ではミスが響き、スラロームとバランス走行操縦の総合成績は女性の部40人のうち8位。今年も出場予定で「いかに本番をイメージしながら訓練に臨めるかが鍵。ノーミスで走り、実力をきちんと発揮したい」と闘志を燃やす。
 そんな2人は、26日から開かれる第70回郡市対抗県下一周駅伝大会最終日の28日、並んで選手を先導する予定。目を合わせ「選手のみなさんが安全に走れるよう、しっかり走行する」と力を込めた。

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