栃木県が2024年度、子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」の活動を支援するサポートセンターを設置する方針を固めたことが17日、分かった。子ども食堂は貧困支援にとどまらず、地域での交流を深める場としても需要が高まっており、県内では現在100カ所を超えている。センターでは運営に関する相談対応や情報発信のほか、支援者らとのマッチングなどにも取り組んでいく。
子ども食堂は、家庭の収入が少なく十分な食事ができなかったり、親が忙しく1人で食事をしたりする子どもたちのために始まった活動。運営主体は任意の市民活動団体やNPO法人などが大半を占める。
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京都)の調査によると、23年10月時点の県内の子ども食堂の数は101カ所。前年同期に比べ29カ所増え、1.4倍となった。
一方、人口10万人当たりの設置数では、本県は5.23カ所で全国42位。他県に比べ支援が広く行き渡っていない実態もある。
新型コロナウイルスが5類に移行し行動制限が緩和される中、子ども食堂のニーズは一層、増加している。しかし急激な物価高で運営が困難になっているとの窮状が関係者から寄せられており、県はサポートセンターの設置により支援を拡充する方針。
県内では一般社団法人・県若年者支援機構(宇都宮市)が17年2月、機構内に「こども食堂サポートセンター・とちぎ」を開所し、運営を続けている。県は先行する同センターとの関わり方も検討していく。
24年度当初予算案には運営事業費として約440万円を計上する方針。子ども食堂に関する予算計上は、今回が初となる。