しっとり、もちもち食感 京都の23歳と19歳兄弟が手掛けるスイーツ人気「もち米のおいしさ知って」

京丹後産もち粉を使った食品作りを提案する山岡泰斗さん(左)と怜亜さん兄弟=京丹後市久美浜町・久美浜観光農園

 京都府京丹後市久美浜町でもち米生産を手がけている農業法人の兄弟が、地元の福祉施設に自社のもち粉を使った商品開発を促す「農福連携」を進めるなど、活用拡大に取り組んでいる。2人は「水と空気がきれいな久美浜で育てたもち米のおいしさを、多くの人に知ってもらいたい」と意気込んでいる。

 米の生産・販売などを手掛ける久美浜観光園(同町丸山)でマーケティング部門を担当する山岡泰斗さん(23)と弟の怜亜さん(19)。同社では10年ほど前に自家用としてもち米の生産を始め、年末に職場の餅つき行事で使用していた。得意先に餅を配ったところ、「売ってほしい」と注文が入ったのを機に兵庫県豊岡市の業者に委託して、もち米を製粉したもち粉を生産し、地元の道の駅などで販売している。

 もち粉は主に月見団子など和菓子の材料として購入されている。そのため2人は「もっと幅広く使ってもらえないか」と、シフォンケーキやクッキー、煎餅などの菓子作りに取り組む同町の就労継続支援B型事業所「杜(もり)の散歩道」に、自社のもち粉を使った商品作りを提案した。

 同事業所は主原料のうち、もち粉と米粉を使ったシフォンケーキを開発。昨年11月下旬から事業所に併設する喫茶店「豆腐カフェもりのさんぽみち」で販売(1個200円)を始めた。担当職員の藤原京子さんは「しっとり、もちもちした食感でお客さんの反応はいい。商品作りを通じて、地元で農業に取り組む若い人を応援していきたい」と話す。

 山岡さん兄弟はこのほか、友人や知人、親戚にもち粉を使ったお好み焼きやホットケーキ、ミルクレープなどを試作してもらい、レシピにまとめた。2人は「もち粉を使った料理や菓子など多くの人から知恵をお借りし、一緒にレシピ帳を作って公開したい」と協力を呼びかけている。同社ファクス0772(84)0125、またはメールinfo@kumihama-kankouen.com

© 株式会社京都新聞社