「楽しみにしていたので…」「悲しむ姿で胸が苦しくなる」公立高校の合格掲示取りやめで受験生悲喜こもごも

静岡県内の公立高校が合格発表の際、受験番号の掲示を取りやめることが分かりました。あこがれの高校で合格者が喜び合う風物詩がなくなるわけですが、これから受験する中学生からは、残念がる声とともに、案外、歓迎する声も上がっています。

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合格者が張り出されるとともに歓喜に沸く光景、2023年が見納めになりました。高校での掲示がなくなることについて当事者たちの思いは複雑です。

<中学3年生>
「掲示板が出ることで、今までの成果が現れる感じがしてとても楽しみにしていたので、すこし悲しい気持ちがありました」

中には、ほっとしたという声も聞かれました。

<中学3年生>
「誰かの悲しむ姿を見るのがとても胸が痛くなるので、掲示発表で誰かの悲しむ姿を見るよりも、自分で静かに見るほうがいいと思いました」

合格者番号の掲示を取りやめる背景には、中学と高校双方の教員の業務負担を減らす目的があります。

<静岡市立東中学校 廣住しのぶ学年主任>
「達成感は感謝の気持ちも生まれるので、そういう貴重な体験は必要と思うが事情があるので理解もできる。ジレンマですね」

一方、私立高校の中には、今年度も合格者番号の掲示を行う学校もあります。

<静岡大成高校 堀泰之教頭>
「いま、大学入試でも合格掲示をするところはほとんどない。ぜひ、頑張ってきた自分をほめていただく意味でも合格掲示板を見ていただきたい」

ただ、静岡大成高校でも、来年度からは合格通知を各家庭に個別に送るため、掲示は取りやめる予定です。

<静岡大成高校 堀泰之教頭>
「(掲示は)高校職員にとってもうれしい場面で。中には泣いて喜ぶ受験生もいて。こちらも喜びを感じる場面ではあったので(取りやめは)時代の流れというか」

コロナ禍からすでに掲示を取りやめる動きが進んでいて、公立高校と同様に私立高校でも合否はウェブサイトで確認する動きが加速しそうです。

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