敦賀駅で900人乗り換え実験…乗客滞留して想定の8分超す JR西日本、北陸新幹線開業までに改善へ

JR西日本の社員ら約900人が参加した乗り換え検証。2階コンコースの改札付近は大人数が集中した=1月18日、福井県敦賀市の新幹線敦賀駅改札
3階の新幹線ホームからエスカレーターで2階乗り換えコンコースに向かうJR西日本社員ら=1月18日、福井県敦賀市の敦賀駅

 JR西日本は1月18日、3月16日の北陸新幹線福井県内開業を前に、新幹線の当面の終着駅となる敦賀駅で社員ら約900人を動員した乗り換えシミュレーションを行った。新幹線車両「W7系」1編成の乗車率100%(約900人)を想定し、3階の新幹線ホームから2階コンコースの乗り換え改札を通り、1階の在来線特急ホームで「サンダーバード」と「しらさぎ」に乗客全員が乗り込むまでの時間や動線などを検証した。乗客が集中して滞留した箇所もあり、全員が乗車完了したのは想定の8分を超えた。JR西日本は課題を検証し、開業までに改善する。

 昨年12月15日に発表された運行ダイヤでは、敦賀駅で乗り換えになる特急は全て、北陸エリア内を運行する新幹線「つるぎ」と接続。接続時間は8~19分で、敦賀発着の特急80本のうち34本が8分で最も多い。

 乗り換えシミュレーションは、12両編成(座席数914)で満席の「つるぎ」が到着したとの想定で実施した。午前11時55分、スーツや私服姿で乗客にふんした社員が新幹線から続々降り、エスカレーターや階段、エレベーターを使い2階コンコースへ。整備新幹線の駅で最多の19台が並ぶ自動改札では、切符を投入するしぐさで通り抜けたが、混雑した。改札から最も近い1階へ向かうエスカレーター付近では順番待ちの長い列ができた。

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 車いすの乗客や外国人、歩行速度が遅い人なども加味したほか、改札機の詰まりなどさまざまなケースを想定。駅員のサポートで車いすの乗客がサンダーバードに乗り、午後0時8分にドアが閉まった。しらさぎは同7分だった。

 JR西日本金沢支社の岡久資副支社長はシミュレーション後、「複数のエスカレーターや階段はあるが、1カ所に集中したところがあった。奥の方に誘導するなど案内に工夫を加えて開業当日を迎えたい」と話した。列車内での乗り換え案内の充実や同社ホームページ上でも説明する考えを示した。同社は参加した社員へアンケートを実施して課題を集約し、改善につなげるとしている。

 敦賀駅は、12階建てビルに相当する高さ約37メートルと整備新幹線の駅で最大級。

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