【ASEAN】23年東南アからの訪日者数、19年水準近くに[観光]

日本政府観光局(JNTO)が17日に発表した統計で、2023年1~12月に東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国から日本を訪れた旅行者数(推計値)は計362万8,100人となった。前年比では3.9倍に拡大。新型コロナウイルス禍前の19年の383万3,800人よりも5.4%少なかったものの、訪日旅行需要が大幅に回復した。

国別では、4カ国で19年の訪日者数を上回った。19年比で増加率が最も大きかったのは23年の訪日者数が6カ国中で3位のシンガポールで、20.1%増の59万1,300人だった。これに4位のベトナムが15.9%増の57万3,900人、5位のインドネシアが4.0%増の42万9,400人、2位のフィリピンが1.5%増の62万2,300人で続いた。

19年よりも減少したのは6カ国中で1位のタイで、24.5%減の99万5,500人。19年は131万9,000人で100万人を超えていた。6位のマレーシアは17.1%減の41万5,700人だった。

23年の東南アジア主要6カ国からの訪日者数は、日本の新型コロナ水際規制の緩和などを受け、3月に約3年ぶりとなる30万人台に回復。5月には19年同月比で9割超の水準になるなど順調に回復した。

■12月は2カ国で過去最高

23年12月にASEAN主要6カ国から日本を訪れた旅行者数は、前年同月比66.2%増の48万100人(推計値)だった。前月比では18.8%増となったが、コロナ禍前の19年12月の51万4,913人からは6.8%減となった。

6カ国全てで前年同月を上回り、シンガポール、インドネシア、ベトナムの3カ国は19年12月の水準を超えた。

訪日者数が最も多かったのは引き続きタイで、前年同月比51.6%増の12万5,800人だった。年末休暇や雪のシーズンで訪日需要が高まった。ただ消費者購買力の低下や航空券代金の高騰などが影響し、19年同月比では23.7%減と伸び悩んだ。

2位はシンガポールで、69.6%増の11万3,700人。単月として過去最高の訪日者数を記録した。対シンガポールドルでの円安が継続し、直行便の回復、観光プロモーション、学校休暇を背景に大幅な増加となった。

3位はフィリピンで約2倍の7万9,100人だった。4位はインドネシアで85.1%増の6万3,700人。12月としては過去最高となり、前月の最下位から2ランク上昇した。

5位のマレーシアは前月から1つランクを落とし、67.8%増の6万800人だった。学校休暇期間の短縮や旅行代金の高騰、格安航空会社(LCC)の地方路線の回復の遅れなどが影響し、伸び悩んだ。6位はベトナムで、31.2%増の3万7,000人だった。

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