丹沢山地で過密化…シカ捕獲の現場を知る 秦野で神奈川県猟友会が特別展

県猟友会のシカ捕獲について紹介している特別展=秦野市堀山下の県立秦野ビジターセンター

 丹沢山地で過密化したシカとその捕獲についての特別展が神奈川県立秦野ビジターセンター(秦野市堀山下)で開かれている。2月12日まで。県猟友会の主催。

 ニホンジカは繁殖力が強く、雌の多くは3歳から出産するため、4年で頭数が2倍に増えるといわれている。成獣で1日に5キロの草を食べるため、シカの増加で植生が衰退し、土壌流出や森林機能低下につながるほか、農作物への食害などが問題となっている。

 これらの解決のためにシカの駆除などが行われているが、本年度は同市単独では32頭を捕獲、県から委託された県猟友会も管理捕獲を行っている。特別展では農林業被害への対策や食害からの植生回復、シカの生息環境向上への取り組みなどをパネルや写真で紹介している。

 近くに住む上田文彦さん(69)は「散歩中に市内でシカを見かけたことがあり、山に食べ物がないのか頭数が多過ぎるのか考えたことがあった。農作物への被害は農家にとって切実な問題。共生と自然とのバランスがうまく取れたら」と話していた。

 午前9時~午後4時半。問い合わせは、同センター電話0463(87)9300。 

© 株式会社神奈川新聞社