広島に源流 岸田総理が「宏池会(岸田派)」解散を表明 地元政界関係者も衝撃 動揺広がる

岸田総理が一連の派閥パーティーをめぐる問題を受けて、「岸田派を解散する」と表明したことに対し、自民党内では「岸田の乱だ」という声もあがるなど、衝撃が広がっています。岸田派=宏池会とのかかわりも深い広島県選出の政界関係者にも動揺が走っています。

岸田文雄総理
「政治の信頼回復のために、宏池会(岸田派)解散するということを申し上げました」

岸田総理は19日朝、岸田派を解散すると表明した上で、政治の信頼回復に向け、党の政治刷新本部で議論をしっかり進めていきたいと強調しました。

ただ、突然の表明にある派閥幹部は「完全にちゃぶ台返しだ。もう岸田総理のことは支えない」と話すなど、自民党は混乱に陥っています。

藤志保記者
「広島城東側の堀端にある銅像は、池田勇人元総理です。岸田派の宏池会は、67年前に池田勇人後援会として発足しました」

竹原市出身の池田勇人元総理は、1960年から4年間の在任中に「国民の月給を2倍に」と所得倍増論を掲げ、戦後の高度経済成長を推進しました。2017年、銅像の前で結成60年の行事がありました。

岸田会長(当時)
「この場所に立って、当時の歴史を振り返ります時に、あらためて当時の政治の躍動感みたいなものを感じます。(宏池会も)未来に向けて、日本の政治において何をするべきか、しっかり役割を果たそう」

自民党の派閥でもっとも古い宏池会は、宮沢喜一氏など5人の総理大臣を輩出していました。所属する小島敏文衆議院議員(比例中国)は、派閥からの説明を待っている状態だといいます。

小島議員は、派閥そのものは、政策の研究や実現、後輩議員の指導という面で効用があると話します。

小島敏文衆議院議員
「派閥がすべて“悪”ではないと思っている。政策を戦わせている。そのために仲間がいて、反対もいて、議論を重ねて、日本をいい方向にもっていく使命がある。派閥がいけないというのなら、政策研究グループというのに変えればいいじゃないか」

他の派閥から反発の声がある一方で、歓迎する意見もあります。

平口洋衆議院議員(広島2区・茂木派)
「大変結構なこと。すばらしい判断。派閥のいいところもあるが、悪いところもある。その存在自体をよく考えて、ご破算で出直してみることが自民党として大事。派閥はコントロールが利かない世界を作ってしまう。それが3つも4つもできるとおかしなことになる。オーバーコントロールの存在を一回つぶしてみるのは一つの手だと思います」

自民党県連 中本隆志会長代理
「一度、派閥をリセットして、新たな自民党として出直しを図ろうという強い気持ち。この度の決断は本当に重い決断だが、(総理の)勇気と決断力に心より私は敬意を表させていただきたい」

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