「自主解散しなければいけない」「会長の判断を尊重」岸田派、二階派…“派閥解散ドミノ”で県内選出自民議員にも衝撃 裏金事件で新展開

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件が大きく動きました。東京地検特捜部が新たに8人を立件したことなどを受け、岸田派に続き、二階派も解散を宣言。静岡県内の派閥所属議員に衝撃を与えていますが、注目が集まる安倍派は19日夕、議員総会を開いて対応を協議しています。

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<植田麻瑚記者>
「午後5時前です。安倍派の塩谷座長が自民党本部に姿を見せました。強制捜査が入ってから初めての会合で、いったい何を語るのでしょうか」

19日夕、東京の自民党本部に姿を見せたのは、静岡8区が地盤で安倍派の座長を務める、塩谷立衆院議員です。安倍派の議員総会に臨むため、久々に公の場に姿を見せました。

自民党を揺るがしている政治資金パーティーの裏金問題。東京地検特捜部は19日、新たに、安倍派の2人の国会議員と、安倍派、二階派、岸田派の3派閥の会計責任者など総勢8人を在宅のまま、立件する刑事処分を発表しました。

この裏金問題について口火を切ったといえるのが、静岡3区に地盤を置く宮沢博行衆院議員です。

<自民党・安倍派 宮沢博行衆院議員>
Q記載しなくていいというのは会派のお達しだった?
「そうです。ここ至ってははっきりと申し上げます。かん口令が敷かれておりますけれども、これはもう各議員が正直言って、しゃべらないといけない段階に来ていると思う」

宮沢議員は2023年12月の国会で、これまで誰も公に認めていなかった裏金づくりの疑惑について、自ら、140万円の裏金を作っていたことを明らかにし、それが、派閥の指示だったことを認めたのです。

その宮沢議員は19日朝、地元・磐田市で支援者が初詣に向かうのを見送ったあと、SBSの取材に応じました。

<自民党・安倍派 宮沢博行衆院議員>
「私はやはり安倍派、清和政策研究会は自主解散しなければいけない、解消しなければいけないと思っています」

自民党の派閥を巡っては、岸田総理が19日、岸田派の解散を表明しました。

<岸田文雄総理>
「政治の信頼回復のために、宏池会(岸田派)を解散するということを申し上げた。ただ、他の派閥のありようについて何か申し上げる立場にはないと考えています」

岸田派に所属する上川外務大臣は…

<自民党・岸田派 上川陽子外務大臣>
「誠実に誠意をもって取り組んでいく。そしてそれに対して、いったことはしっかり実行すると。こうした姿勢を重ねていくことが大事ではないかと思います」

突然の派閥解散宣言…その影響は広がり始めています。

<自民党・二階派 二階俊博会長>
「政治への信頼を取り戻すため志帥会(二階派)を解散する結論に至り、所属議員のの了承を得た次第であります」

会計責任者が立件された二階派も19日午後3時から議員総会を開き、派閥の解散を決めました。静岡県内の所属議員は驚きながらも粛々と受け止めたようです。

<自民党・二階派 細野豪志衆院議員>
「私はもう二階先生のお世話になってここまできましたので、会長の判断を尊重したい」

<自民党・二階派 若林洋平参院議員>
「要するに派閥がどうこうじゃなくて、個々の政治家が政治家として、それぞれの説明をすべきだし、謝罪があるなら謝罪をすべきだし。それなくして誰も納得できない」

そして、安倍派の議員総会の冒頭で塩谷座長がついに口を開きました。

<自民党・安倍派 塩谷立座長>
「収支報告への多額な不記載により国民のみなさま方、党員を含む自民党関係者のみなさま方の信頼を裏切ったことに対してより深くお詫びを申し上げる次第です。私自身が座長としてもっとできることがあっただろうと大変深く反省をしているところです」

相次ぐ自民党の派閥解散。安倍派の動向が注目されます。

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