「仮想現実」でリハビリ 県リハビリテーション病院「面白い」と好評

県リハビリテーション病院に導入されたVRリハビリ機器=富山市の同病院

 富山県リハビリテーション病院はVR(仮想現実)を活用したリハビリ医療機器「VRカグラ」を、北陸で唯一導入している。ゲーム感覚で楽しくリハビリに取り組め、体幹機能や歩行能力の改善が期待される。昨年10月の利用開始から平均で毎日3人ほど利用し、「面白い」と好評を得ている。

 VRカグラは医療機器メーカーmediVR(大阪府)が開発した。座った状態で頭にVRゴーグル、両手にコントローラーを持ち、視界に現れる的に手を伸ばしたり、落ちてくる果物や野菜をタッチしたりと自然にリハビリの動作ができる。

 難易度の調整が可能で、脳卒中や神経難病など幅広い病気で使用できる。自分の手足が見えない状態で体を動かすため身体感覚が研ぎ澄まされ、体幹が鍛えられ、バランスが改善するなどの効果が期待される。

 県リハビリテーション病院では入院患者が対象で、これまで20~80代が利用。理学療法士の酒井丈裕さんは「お年寄りも楽しみながらリハビリに取り組んでいる」と話した。

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