〈1.1大震災〉珠洲から150人 2次避難 富山市、20日から

  ●石川県の要請受け

 富山市は19日、能登半島地震で被災した珠洲市から約150人の広域避難を受け入れると発表した。2次避難所となる富山市内のホテルに、20日夜から4日間に分散して到着する。18日に石川県から富山県を通じて受け入れの要請があった。石川からの要請で富山県内の2次避難所に避難者を受け入れるのは初めてとなる。

 富山、石川県と富山市によると、避難してくるのは一時孤立した集落の住民で、傷病者や介護が必要な人はいないとみられる。富山市は医師や保健師による健康チェック、衣類など生活物資の提供、珠洲市の被災者支援などに関する情報提供を行う。

 受け入れ先は石川県が2次避難所として登録しているホテルで、宿泊費などは同県が負担する。避難者は珠洲市からバスや自家用車で移動してくる。ホテルでの受け入れ期間は決まっていない。

 石川県によると、珠洲市の集落側から集団での2次避難の希望があり、150人規模を受け入れられる施設が石川で少なくなっていることから、富山県に受け入れを要請した。

 富山市の藤井裕久市長は取材に「近隣の自治体として、避難者が生活しやすく安心できるよう、寄り添った支援に努めたい」と述べた。今後、石川から追加の受け入れ要請もあると想定して準備を進めるとした。

 石川県から要請を受けた事例とは別に今月中旬、石川から自主的に避難した2人が富山県内の2次避難所の宿泊施設を一時利用した。富山県内の医療機関や福祉施設でも石川の被災者を受け入れている。

  ●県内住宅被害4100件、氷見の飲用水未復旧470戸に

 富山県は19日、能登半島地震による住宅被害が午後1時時点で4千件を超えたと発表した。高岡市で半壊が新たに5件確認されるなど、前日比180件増の4100件となった。18日に全域の断水が解消した氷見市では、水質の安全検査が完了していなかった700世帯のうち230世帯で飲用が可能となり、残る未復旧世帯は470世帯。

 避難所は高岡、氷見両市で4カ所開設しており、計45人が身を寄せている。人的被害は重傷3人、軽傷44人で、前日からの追加はなかった。

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