〈1.1大震災〉奥能登の患者34人搬送 富山駐屯地経由、県内病院へ

陸上自衛隊の大型輸送ヘリ「CH―47」で運ばれた患者を搬送する関係者=砺波市の陸自富山駐屯地

 能登半島地震で被災した柳田温泉病院(能登町)など奥能登地域の病院から入院患者34人が19日、陸上自衛隊の大型輸送用ヘリコプター「CH-47」などで空路を利用し、富山県内の病院に搬送された。石川県から富山県に打診があり、陸自富山駐屯地や富山空港経由で運ばれた。富山県によると、これまでに計149人を受け入れており、今後も要請があれば可能な限り受け入れを調整する。

 陸自富山駐屯地にはCH-47のほか、愛知県や京都市の消防防災ヘリで3回に分けて到着した。陸自隊員や高岡市、砺波地域消防本部などの約70人が対応に当たった。

 車両整備工場内で医師らが患者の症状を確認後、厚生連高岡、高岡市民、砺波総合、高岡済生会、JCHO高岡ふしき、南砺市民、北陸中央の各病院に搬送された。

 砺波総合病院の災害派遣医療チーム「DMAT」医師の腰塚悠太さんは患者の症状について「落ち着いていて安定している」と話した。富山空港にもCH-47が到着し、患者は救急車7台で富山市内の病院などに運ばれた。

 柳田温泉病院によると、院内は断水が続き、ガスも使えない状況で、担当者は「無事に患者さんを他の病院に移すことができ、ほっとしている」と話した。

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