「同志的結合保つ」「中堅若手で連携」 安倍派解散でどうなる 石川県選出4氏

安倍派の臨時総会に出席した宮本参院議員=自民党本部

 自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)が19日の臨時総会で解散を決めたことについて、同派に所属する石川県選出の4氏は「けじめを付けるのは当然。ゼロから再スタートさせたい」と口をそろえた。政治活動の拠(よ)り所(どころ)を失うことに落胆の声も聞かれたが、連携してきた議員とは今後も同志として活動する考えを強調。能登半島地震からの復興へ「懸命に仕事をして失われた信頼を取り戻したい」と表情を引き締めた。

 19日午後6時に始まった安倍派の臨時総会。県選出の国会議員は、塩谷立座長の「長年にわたる事務的なミスリードにより、誤った処理をさせた。幹部としておわびする」とのあいさつを神妙な面持ちで聞いた。

 安倍派の解散が決まったことに岡田直樹参院幹事長代行は「状況を考えればやむを得ない。政治家の初心に立ち返り、試練を乗り越えていきたい」と出直しへの決意を示した。

 党政治刷新本部に本部長代理としてメンバーに入る岡田氏は「信頼を取り戻すには速やかに解散を打ち出すべきだ」と取りまとめに動いたとし、「各議員がバラバラになるわけではない。同志的な結合は保ち、絆を固めて懸命に仕事をしていきたい」と語った。

 中堅・若手の有志議員は議員総会に先立ち、ただちに解散するよう塩谷座長に申し入れた。要望書に名を連ねた佐々木紀衆院議員は臨時総会でも「派閥は必要なく、解散はやむなしだ」と発言。自身と同じ当選4期の福田達夫元総務会長と連携を深めていく考えを示した上で、取材に対し「政策や人間関係を構築する上で派閥は重要な集団だった。その機能だけは引き続き保ち続けたい」と述べた。

 「枠にとらわれず、これまで協力してきた同僚議員と切磋琢磨(せっさたくま)していく」。宮本周司参院議員もこう強調、小森卓郎衆院議員は「派閥は政治不信を強めた集団であり、解散の方向は新しい政治をつくる上での一歩だ」と受け止めた。

  ●「疑念払拭されず」 近藤氏

 一方、野党は批判を強めている。立憲民主党の近藤和也衆院議員は「懐を肥やそうとしていたのはあり得ないことだ。解散しただけでは疑念が払拭(ふっしょく)されたことにはならない」と冷ややかに語り、岸田政権は早急に解散すべきだと訴えた。

安倍派の臨時総会に出席した岡田参院幹事長代行=自民党本部
安倍派の臨時総会に出席した佐々木衆院議員=自民党本部

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