自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、安倍派（清和政策研究会）に所属する本県選出の上野通子（うえのみちこ）参院議員と簗和生（やなかずお）衆院議員は19日、下野新聞社の取材に応じ、両氏ともパーティー収入の還流分の受領を認めた。
上野氏は政治資金収支報告書への不記載に関して「事件発覚後に知った。最終的に私の責任だ」と陳謝した。簗氏は、受領した全額を本人から自身の政治団体に寄付する形で処理していたと説明した上で「裏金と言われるものは一切ない」とした。
上野氏によると、秘書が東京地検特捜部から任意の事情聴取を受けた後、詳細を把握したという。秘書は派閥担当者から「他の議員に迷惑がかかるから」と報告書への不記載を指示され、還流分や参院選の年のパーティー券収入を受け取っていた。
これらは事務所経費に充て、全ての領収書は保管されているという。派閥側の確認が取れ次第、報告書を訂正するとした。「この日の立件まで説明ができなかった。一連の問題で政治不信を招いてしまったことを申し訳なく思う」と述べた。
簗氏は派閥側からの説明を受け、適正な処理がなされている認識の下で受領したと説明。全額を政治活動費に充てたとした。「派閥の指示通りに対応したまでであり、だまされた思いだ」と怒りをあらわにした。報告書の訂正は「派閥側と合わせて対応する」と話した。
