無病息災、洞窟の観音像に祈る 新上五島・岩家まつり祈禱 長崎県

洞窟内の石像に手を合わせる参拝客=新上五島町

 長崎県新上五島町青方郷の観音岳山頂付近にある岩家観音で17日、岩家観音様まつりの祈禱があり、参拝客らが洞窟内の観音像に無病息災を願った。
 主催する青方岩家観音会の市川輝雄会長によると、700年以上前、観音岳山頂に毎夜怪しい光が現れ、住民らを不安に陥れた。地元の僧侶の夢枕に観音様が3日間続けて立ち、告げられた通りに観音像を山頂に安置すると、光は現れなくなったといわれる。
 観音像は本堂や複数の洞窟に安置され、参拝するには体をかがめながら狭い隙間を進まなければいけない。
 観音像を祭ったとされる旧暦1月17日にちなみ、17日に祈禱。同会の吉村暢晃(のぶあき)さん(42)は「『悪いことをした子どもたちは、洞窟から出るときに岩が閉まる』という言い伝えなども、しっかり教えていきたい」と話し、若い世代による伝統行事の継承を誓った。
 21日、大縁日祭を開き、うどんや団子の出店、たこ揚げ大会などのイベントを予定している。

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