戦後、帰れぬ故郷の記憶継承を 北方領土・硫黄島の島民子孫ら

北方領土と硫黄島を巡り開かれた、記憶の継承について議論するシンポジウム=20日午後、東京都港区

 第2次世界大戦後、島民が帰還できない状況が続く北方領土と硫黄島を巡り、島民の子孫らが記憶の継承について議論するシンポジウムが20日、東京都内で開かれた。北方領土の元島民3世で写真家の山田淳子さん(41)は「戦後80年近くたっても故郷に帰れない人々がいることを忘れないで」と訴えた。

 北海道大スラブ・ユーラシア研究センターが主催し約80人が参加。1929年に北方領土と北海道を結ぶ海底電線の中継施設としてできた「根室国後間海底電信線陸揚施設」の保存活動や、住民の帰島が認められていない硫黄島の戦前の写真と証言を収集・保存する「全国硫黄島島民3世の会」の取り組みが紹介された。

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