16年ぶり静岡に停まる「ひかり」が増える 経済界トップ「非常にありがたい」と歓迎 実現した理由は?東海道新幹線3月ダイヤ改正

3月16日(土)に予定されているJR各社のダイヤ改正。東海道新幹線では、夜間時間帯の下り「ひかり」の列車間隔が改善されます。

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静岡、浜松、豊橋の各駅では、停車本数が1本増え、次の列車を待つ時間も短くなります。特に、静岡にとっては16年ぶりの大きなダイヤ改正で経済界のトップも期待を寄せています。

上下合わせて1日平均378本が走る東海道新幹線(2019年度)。このうち、静岡駅に停まる「ひかり号」は現在、上りが19本、下りが18本の合わせて37本です。これが3月16日のダイヤ改正で、下りが1本増えて合わせて38本になります。

夜の「ひかり」1本停車増 静岡の経済界トップは「評価」

1本増えるのはとても大きいことだと経済界のトップは評価しています。

<静岡商工会議所 岸田裕之会頭>
「東京へ行って帰ってくる時に、今回の増便が夜間あるのは事業の展開として、いろいろ話を聞いたときに時間を気にして帰ることなく、安心感も含めて非常にありがたい話だなと思っている」

現在の夜6時以降の東京駅の出発時刻です。3月の改正で、新たに東京駅6時33発の「ひかり」が静岡に停まるようになります。さらに、8時12分発の次は9時半発で1時間18分も間隔が空いていましたが、9時台の発車を早めることで間隔は最大で57分に短縮されます。

JR東海社長「静岡地区が便利になるように」

JR東海の丹羽社長は、静岡地区が便利になるように工夫を重ねたと話します。

<JR東海 丹羽俊介社長>(12月12日)
「以前から夜間の利便性を向上させてほしいという声があった。今回、抜本的とは言えませんけれど、従来よりも便利なダイヤを静岡地区で実現していく」

1964年10月に開業した東海道新幹線。当初、静岡駅に停まるのは「こだま」だけでした。「ひかり」が初めて静岡駅に停まったのは開業から12年後の1976年。県知事や静岡市長がくす玉を割って大歓迎でした。このときは、1日上下1本ずつでしたが、その後「ひかり」の停車は徐々に増えていきます。

東海道新幹線の歴史を語る「貴重な資料」

「ひかり号」停車が増えた歴史を語る資料がJR東海の静岡支社に保存されています。

<岩崎大輔記者>
「保存されている時刻表を机に並べてみました。最新のものから1年ごとにさかのぼって、こちらは37年前、国鉄からJRに変わった最初の貴重な時刻表です。1987年、JR発足時の東海道新幹線を見てみると、ひかり号が静岡駅に停まるのは大体1時間から2時間に1本ぐらいという感じですね」

JR発足時のダイヤは国鉄が作ったもの。日中は、最大3時間静岡に停まる「ひかり」の間隔があいていました。その後、JR東海は静岡に優しいダイヤ改正をすぐに行います。

<岩崎大輔記者>
「JRになった次の年、1988年には日中、静岡駅に1時間ごと、ひかり号が停まるようになりました」
「前回、静岡県内のダイヤが大きく変わったのが2008年の3月。この時には、静岡駅だけでなく、浜松駅にも日中1時間ごとにひかり号が停まるようになり、とても便利になりました」

その後、東海道新幹線は「のぞみ」が中心の超過密なダイヤとなり、この16年間、静岡駅に停まる「ひかり」の本数は変わりませんでした。しかし、この春は少し状況が変わるといいます。

北陸新幹線の敦賀開業で状況が変化

<JR東海静岡支社運輸営業部 三石剛弘部長>(12月15日)
「(北陸新幹線の)敦賀開業で米原停車のひかり号の利用が北陸新幹線に移るだろうという想定の中で、このタイミングでダイヤを改正する」

2024年3月、北陸新幹線が福井県の敦賀駅まで東京駅から直接伸び、東海道新幹線の米原駅で乗り換える人が減ることから、ダイヤに余裕が生まれ、その分を静岡に回し「ひかり」を1本増やせたということです。

今回の3月16日のダイヤ改正では、静岡駅だけでなく浜松駅に停まる「ひかり」も夜間の下りで1本増えます。また、朝の「こだま」では、上りの浜松ー静岡間と、下りの三島ー静岡間で1本増発となり、下りは、静岡駅と三島駅の始発が早くなります。

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