「こども宅食」知ってる? 宇都宮で実施団体など事例紹介 「継続的なつながり大切」

こども宅食の活動紹介などを行ったキャラバン=20日午後、宇都宮市内

 経済的な困窮などに悩む子育て世帯に食料を届け、支援につなげる「こども宅食」の普及を目指す「親子の支援を語ろうキャラバンin栃木」が20日、宇都宮市駒生1丁目の県教育会館で開かれた。宅食に取り組む全国の団体を支援する一般社団法人「こども宅食応援団」(佐賀市)や、県内の実施団体が宅食の概要や活動事例を紹介した。

 こども宅食は、子育て世帯への食品配達をきっかけに生まれたつながりの中で家庭の悩みを把握し、専門機関を紹介するなどサポートする取り組み。同応援団によると、全国で200近くの団体が活動し、県内でも少なくとも2団体が取り組んでいるという。

 イベントには県内の子育て支援団体の関係者ら約20人が参加。宇都宮市内で子ども食堂などを運営し、昨年9月から宅食も行う任意団体「宮っこ支援センターSAKURa」事務局の高橋清人(たかはしきよと)さん(36)が活動を紹介した。

 高橋さんは「車がなかったり日程が合わなかったりして子ども食堂への行きづらさを感じる家庭が多かった」と訪問型の支援として宅食を始めた経緯を説明。現在は同市内の10世帯に月1回配達し、近くに頼れる親類がいないなど孤立を深める各家庭の状況を報告した。

 訪問時のわずかな時間で会話などから生活状況を聞き取る難しさも明かしつつ「月1回でも、継続的なつながりを持ち続けていくことが大切」と取り組みの意義を強調した。

 イベントでは、子育て家庭支援の状況などを共有する座談会も開かれた。

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