「事実でなくても拡散し人傷つける」 栃木で木村花さんの母講演 SNSの危険性指摘

人権セミナーで講演した木村響子さん

 【栃木】会員制交流サイト(SNS)上で誹謗(ひぼう)中傷を受け、2020年に自死したプロレスラー木村花(きむらはな)さん=当時(22)=の母響子(きょうこ)さん(46)を講師に招いた「2023人権セミナー」(部落解放同盟栃木市協議会主催)が21日、市岩舟文化会館で開かれた。木村さんがSNSとの向き合い方について講演し、市民ら約150人が人権について理解を深めた。

 花さんはテレビ番組に出演し、SNS上で中傷される被害に遭い、死去した。その後、響子さんが再発防止を求める署名活動などを行い、「侮辱罪」の厳罰化につながった。

 響子さんは花さんの事例を踏まえ、「SNSはさまざまな人とコミュニケーションが取れるが、事実でない情報でも拡散して人を傷付ける可能性がある」と指摘。中傷などの投稿について「同調者の数が表示され、その数の多さが正当性を感じさせる」と話した。

 他人を中傷する理由について来場者に問いかけながら、「攻撃的な言葉に対してさらに攻撃的な言葉を返すことがある。何かを伝える時には優しい言葉を使うよう心がけてほしい」と呼びかけた。

木村響子さんが講演した人権セミナー

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