「心を動かされた」 ICAN事務局長が長崎を初訪問 被爆者や若者と意見交換 

若者らの声に耳を傾けるパーク氏(右)=長崎原爆資料館

 長崎市を初めて訪れた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のメリッサ・パーク事務局長は21日、市内で、被爆者や平和活動に取り組む若者の声に耳を傾け、意見を交わした。
 「私たち被爆者は、あなたを待ちに待っておりました」。本村チヨ子さん(84)=同市小江町=はパーク氏を熱く歓迎。小学1年生の時、爆心地から4.5キロ地点で被爆し、これまで世界で体験を伝えてきた。核兵器廃絶が進まない中、「語ることがむなしくなることもあったが、命の限り、被爆者の使命として平和を訴え続けたい」と力を込めた。
 第26代高校生平和大使の大澤心春さん(16)=鎮西学院高2年=は昨夏、反核署名をスイスの国連欧州本部に届けた活動などを報告。「微力だけど日本から平和について発信していく」と力強く決意を述べた。
 青少年ピースボランティアの近藤拓人さん(23)=長崎大4年=は「真に平和を目指すのであれば、戦争についてより深く知り、さまざまな主義主張、立場の人々から広く意見を求めるべき」と提案した。
 パーク氏は「若者が被爆者の思いをしっかりと受け継ぎ、長崎のメッセージが世界に伝わるように活動していることが分かり、心を動かされた」と話した。

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