「湯の花」でイノシシ対策 島原翔南高生にグランプリ 東彼杵ビジネスプランコンテスト

グランプリを受賞した島原翔南高・湯の花チーム=東彼杵町彼杵宿郷、町総合会館

 長崎県東彼東彼杵町は1月14日、観光振興や地域課題の解決を目指すビジネスプランコンテストを同町で開いた。グランプリに、温泉の沈殿物「湯の花」で作る忌避剤「鳥獣コンコン」を使い、そのぎ茶のイノシシ被害防止を提案した県立島原翔南高(南島原市西有家町)の湯の花チームが選ばれた。
 町が十八親和銀行の協力で開き2回目。町内外から学生や社会人計34組の申し込みがあり、勉強会や調査を経てプランを練り上げた。予選を通過した11組が登壇した。
 同チーム(7人)は「総合的な探究の時間」に有害鳥獣対策を学んでいる。秋田の高校がカラスの忌避剤として硫黄石で成果を挙げたことに着目。硫黄分を含む雲仙温泉の「湯の花」で忌避剤を作り、カラスやアナグマ被害に悩む南島原の果樹園などで半年間検証。鳥獣が寄り付かないなどの効果が確認できたという。
 さらに費用は電気柵と比べ1ヘクタール当たり、8万5千円軽減されると試算。東彼杵町でも使ってもらい「そのぎ茶の生産に貢献したい」と提案した。賞金は20万円。
 審査委員長の岡田伊一郎町長は「非常に多くの方が困っている。ご協力をいただければ」と講評。代表の同校3年、原田佐由美さん(18)は「まさかという気持ち。野良猫や家庭菜園で困っている人にも役立つと思う」と述べた。

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