新十両・尊富士(青森・五所川原市出身)、記録的快進撃 無敗の8連勝で単独トップ 大相撲初場所

 大相撲初場所8日目(21日・両国国技館)新十両の勢いが止まらない。十枚目尊富士(青森県五所川原市出身)が勝ちっぱなしの8連勝、今場所関取第1号で給金を直した。十両で同じ7戦全勝だった時疾風に土がついたため、単独トップに躍り出た。

 現役関取で2番目に高い身長193センチ、体重で30キロ近く重い獅司のかち上げ気味の当たりを一蹴した。「下から、下から。足から足から」という言葉通り、スピード感あふれる立ち合いから一気に土俵外へ運ぶ「電車道」で勝負を決めた。

 関取デビューの場所にもかかわらず、土俵上では落ち着き払っている。目の前の相手に集中するだけ。「一日一番に変わりない」ときっぱり。

 日本相撲協会の資料によると、戦後15日制が定着した1949(昭和24)年5月以降、新十両が無傷で勝ち越したのは尊富士をのぞきわずか7人。うち優勝が5人いる。直近では昨年秋場所の大の里が9連勝を記録した(最終成績は12勝3敗、優勝は一山本の13勝2敗)。

 記録に残る快進撃にも尊富士に気負いはない。「結果にこだわらず、自分の相撲を取るだけ」と気合を込めて締めくくった。

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