「新紙幣の顔」3人ゆかりの地、どうアピール? 青森・十和田市、イベント企画案を検討

新紙幣発行に合わせたイベントを市に提案した市民検討委員会

 新紙幣の肖像画に採用される渋沢栄一、北里柴三郎ら3人の偉人とゆかりのある青森県十和田市で、今年7月の新紙幣発行に合わせて記念イベントを検討していた市民検討委員会(委員長・斗澤康広十和田おいらせ農協代表理事専務)はこのほど、市役所で会合を開き、子どもたちへの特別授業、明治大正時代の服装でのパレードなど41の企画案と、その評価を市に提示した。市は評価を参考にして企画案を吟味し、3月の市議会に提出する新年度の事業に反映させる方針。

 委員会は、同市の北里大学獣医学部や観光・文化・商工団体関係者ら9人で構成。委員はそれぞれ企画案を出し、企画内容、実現性、PR効果、波及効果の4分野の評価を行った。

 最も評価が高かったのは、紙幣の顔に選ばれた偉人3人と市の関係を学ぶ機会を子どもたちに提供する特別授業で、3人と市のつながりをまとめた冊子や動画を制作して授業に役立てるほか、夏休みの課題で自由課題や作文を募集する企画。展示会や講演会などの案も高評価だった。

 委員からは「出生地に比べると(ゆかりの地は)インパクトに欠けるので、偉人3人を知ってもらうことに徹底した方が良い」などと意見が出た。

 同市ゆかりの人物が紙幣に採用されるのは、1984年発行の5千円札に選ばれた新渡戸稲造以来。新1万円札の肖像に選ばれた渋沢は、三本木原開拓を進める開墾会社の経営難を救い渋沢農場を開設、国営開墾の実現に努めた。千円札の北里を学祖とする北里大は同市の十和田キャンパスに獣医学部を置いている。5千円札の津田梅子について市は、津田が創設した女子英学塾(現津田塾大学)に新渡戸が理事として関わっていたと説明している。

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