収穫に数年要する果樹農業、未収益期間も県が支援 大江などで新規就農者が苗木植栽

県などの補助事業を活用し、スモモの苗木を新たに植えたさがえ西村山すもも研究会大江支部のメンバー=大江町三郷

 収穫まで数年を要する果樹農業で、県などから未収益期間に必要な経費の支援を受け、県内の新規就農者が本年度、苗木を植栽するなどの取り組みを始めた。新たな担い手参入を要件とした補助事業で、後継者不足などの問題に直面する生産現場をサポートする。

 2021年度に発生した果樹の凍霜害などを踏まえ、県が22年度に創設した「かがやく果樹産地づくり強化事業費補助金」を活用する。対象は任意の生産者団体やJA、農業法人などで、国の補助に県や市町村(任意)が独自に上乗せし、かん水設備などの導入、苗木の新たな植え付けや植え替えの費用を7割以上補助する。苗木養成に必要な肥料や農薬の経費については、国と県が10アール当たり計44万円を助成する。

 大江町では、さがえ西村山すもも研究会大江支部(渡辺誠一代表)が活用。新規就農者6人が生産者の高齢化などで耕作が難しい園地を借用するなどし、計約4.2ヘクタールでスモモを栽培する。本年度に苗木植え付けが始まり、同町三郷では福島県出身の鈴木拓さん(44)が約60アールに107本の苗木を植えた。「収穫が始まるのは4年後。その間のサポートがあるのはありがたい」と語った。

 県園芸大国推進課によると、本年度は高畠町でも生産者団体が補助を受けてブドウの苗木を植栽した。ほかに複数の団体が事業活用に向けた計画作成などを進めているという。

© 株式会社山形新聞社