<Begin>フリーアナウンサー登坂淳一さん講演 「伝えること」向き合い続け 俳優業でも表現学ぶ

伝えることの奥深さを語るフリーアナウンサーの登坂淳一さん=佐賀市文化会館

 佐賀新聞社のメンバーズクラブ「新しい扉 Begin(びぎん)」の本年度最終回となる3回目の講座が21日、佐賀市文化会館であった。フリーアナウンサーの登坂淳一さんが講演し、NHK時代から真摯(しんし)に向き合い続ける「伝えること」の奥深さについて、来場者約1200人に語りかけた。

 登坂さんは多忙な父親とコミュニケーションを取ろうと、前日のプロ野球の試合を実況風に再現していた小学生時代のエピソードを披露。NHK入局の際にもその記憶を思い起こし、「世の中のことを自分の言葉で伝えたい。喜怒哀楽の間にある微妙な感情を受け取って表現したい」と理想のアナウンサー像を描いたことを紹介した。

 NHK時代、正午のニュースを担当し注目を集める中で白髪染めをやめ話題を呼んだ。初任地の和歌山局での固有名詞の読み間違いや、北海道局で自ら企画して地域に密着した報道に取り組んだことなど、赴任地で得た学びを振り返った。フリー転身を決めた理由の一つに、8年前に亡くなった3歳下の妹の「体を大事にしてね」との言葉があったことにも触れた。

 舞台やドラマでの俳優業では全身を使った表現方法を学んだといい、「表現することは本当に奥が深い」と実感を込めた。娘2人の子育てでは「1、2歳だから『分からない』と決めつけず、時間はかかっても話して伝えることを心がけている」。活躍の場を広げながら、さまざまな場面で伝え方を模索していることを明かした。(志垣直哉)

 ■会員の継続申し込みは21日から始めており、新規申し込みは2月3日から受け付ける。2024年度は、歌手・女優のジュディ・オングさん、俳優の伊原剛志さん、産婦人科医の高尾美穂さんの3氏が講師を務める。

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