1月22日、WEC世界耐久選手権に参戦するDステーション・レーシングは、2024年の参戦体制を発表した。今季、藤井誠暢はマネージングディレクターを務め、2023年までブロンズドライバーを務めてきた星野敏は第4戦のル・マン24時間のみ参戦することになった。
国内外のレースで活躍するDステーション・レーシングは、2021年からアストンマーティン・バンテージAMR GTEを使ってWECに参戦。世界の強豪たちのなかで毎年きっちりと表彰台を獲得する活躍をみせ、LMGT3規定に改められる2024年も熾烈な競争となったWECの参戦枠を確保していた。今季のWECに参戦するLMGT3チームは大半がヨーロッパ国籍だが、Dステーション・レーシングはアジア、オセアニア、中東地域で唯一のチームとなる。
そんな2024年のWECに向け、チームは他の複数のプログラムをこなしていることもあり、大きく体制を変更することになった。車両は、すでにGTワールドチャレンジ・アジアやスーパーGTでも使用することになった新型アストンマーティンのGT3カー。新たにチームスポンサーとして、カーラッピングフィルムやペイントプロテクションフィルム『ボディフェンス』を展開するフランスのヘクシス社を迎え、グローバルプロモーションの一環としてロゴを掲出して戦う。
ドライバーラインアップも一新された。2023年までチームを牽引するとともにドライバーとして活躍してきた藤井誠暢はマネージングディレクターに就任。また、ブロンズドライバーとして戦ってきた星野敏は、スケジュールの都合で全戦参加は叶わず、第4戦ル・マン24時間のみ参戦することになった。
それ以外のレースでは、プラチナドライバーとしてスーパーGT参戦も決まったアストンマーティン・レーシングのファクトリードライバー、マルコ・ソーレンセンが起用される。また、シルバーには2022年にGT4ヨーロッパ、GT4フランスでチャンピオンを獲得した実績をもつエルワン・バスタードの起用が決まった。
そしてブロンズドライバーには、2022年にポルシェ・スーパーカップのプロ-アマクラスでシリーズ2位を獲得、2020年のスパ24時間でGT3プロ-アマクラス優勝の実績をもつクレメント・マテウを起用する。
また昨年までタッグを組んでいたTFスポーツがコルベットを走らせることになったことから、今季はアストンマーティンのマニュファクチャラー枠のひとつとして、イギリスのアストンマーティン・レーシングをチームの拠点とする。
チームオーナーであり、5回目のル・マン挑戦が実現することになった星野は「今年はスケジュールの都合によりフルシーズンでのWEC参戦ができませんが、自身5回目となるル・マン24時間への参戦が実現し大変嬉しく思います」と語った。
「チームとしては、この新時代のWECでLMGT3クラスにアストンマーティンを代表する1台として挑めることを誇りに思うとともに、マルコ選手、エルワン選手、クレメント選手の素晴らしい3名のドライバーと一緒にチャンピオンシップでも上位を狙っていくことが目標です。是非、ご声援を宜しくお願いいたします」
また、「絶大な信頼を置くマルコ選手をリードドライバーに、速くてクレバーなエルワン選手、経験豊富なクレメント選手、そして、ル・マン24時間に関しては、当チームのオーナーであり5回目のル・マン24時間出場となる星野選手を起用でき大変嬉しく思っています」と藤井マネージングディレクターは語った。
「我々はアストンマーティン・レーシングとともに素晴らしいパッケージを用意することができました。今から来月末のプロローグテスト、そして、カタールの開幕戦に挑むことに興奮しています。今シーズンもDステーション・レーシングへのご声援を宜しくお願いいたします」
チームから参戦することになった3名のドライバーのコメントは下記のとおり。すでにチームはアジアン・ル・マン、GTワールドチャレンジ・アジア、そしてスーパーGTへの参戦を表明しているが、今季も世界中でアストンマーティンの勇姿をみせてくれることになりそうだ。
マルコ・ソーレンセン
「一年間FIA世界耐久選手権から離れていたが、このチャンピオンシップへ再び戻ることになりとても興奮しているよ。過去に3回のシリーズチャンピオンを獲得しているし、このチャンピオンシップが好きであることは言うまでもない。新型アストンマーティンになり、また学ぶことも多く、面白いシーズンになるだ。新しいチームメイトのクレメントとエルワンとともにベストを尽くすつもりだ。彼らと一緒に仕事ができることを楽しみにしているよ」
エルワン・バスタード
「今シーズンからDステーション・レーシング、そしてアストンマーティンに加わることができて光栄だよ。WECは長い間ずっと目標にしてきた幼い頃からの夢だ。ついにそのチャンスが巡ってきてチャンピオンシップの歴史を築いてきたメーカーとともにWECに参加できるなんて、信じられないようなことだ。来月カタールに行き、マルコとクレメントと一緒にサーキットを走ることが今から待ちきれないよ」
クレメント・マテウ
「Dステーション・レーシングでWECの初シーズンを迎えられることにとても興奮している。最高峰のエンデュランスレースに出場する機会を与えてくださった星野さんと藤井さんに感謝したい。また、私のファミリービジネスであるヘクシスと特別な歴史を共有するアストンマーティンでの参戦になり嬉しく思っている。2011年にヘクシスAMRはDBR9でFIA GT1世界チャンピオンに輝いており、2024年に最新のGT3で再び一緒にレースができることは素晴らしく、新たなチャレンジに興奮しているよ」
Dステーション・レーシング
2024年WEC世界耐久選手権 参戦体制
カーナンバー：777
チーム：Dステーション・レーシング
マシン：アストンマーティンGT3
タイヤ：グッドイヤー
テクニカルサポート：アストンマーティン・レーシング
チームオーナー：星野敏
マネージングディレクター：藤井誠暢
ドライバー：
マルコ・ソーレンセン（プラチナ）
エルワン・バスタード（シルバー）
クレメント・マテウ（ブロンズ）
星野敏（ブロンズ）
