春中ハンド、富山県氷見市での開催断念 宿泊施設確保できず福島に変更

 富山県氷見市で3月に予定していた第19回春の全国中学生ハンドボール選手権大会(春中ハンド)の市実行委員会(会長・林正之市長)は22日、市内で緊急役員会を開き、能登半島地震の影響で氷見での開催を断念した。選手を受け入れる宿泊場所が十分に確保できないほか、余震の懸念もあるため。日本ハンドボール協会によると、福島県の福島、郡山、本宮各市で代替開催する。

 大会には県外から男女計約90チームが参加する予定だった。役員会では宿泊場所について、約300人の受け入れを依頼していた石川県の和倉温泉や七尾市の施設の利用が困難となり、県西部や富山市の施設にも当たったものの、12チーム180人分がまだ確保できていないと報告があった。

 出席者からは余震が続く中、選手を安心して受け入れられるか心配する声も上がった。林市長は20日に県内を視察した松村祥史防災担当相との意見交換会で、石川県の復興に携わる業者の宿泊場所として氷見市に協力してほしいとの要請もあったとし、「苦渋の決断」として断念を決めた。

 市長は次回の第20回大会について「復興のシンボルとなる大会として氷見で開催し、市民や全国の皆さんに復興の歩みや元気を届けたい」と述べた。氷見での開催断念に伴い、延期していた開催地や振興枠の代表決定戦は取りやめる。

 春中ハンドは氷見市で2006年から10年間行う予定でスタートし、19年には25年の第20回大会まで開かれることが決まっていた。

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