ブレンドン・ハートレーは、ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティでの自身の役割を拡大し、同チームの10号車アキュラARX-06でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の少なくとも3レースに出場することに「興奮している」と述べている。
4度のWEC世界耐久選手権王者であり、2023年のデイトナでもWTRアンドレッティのラインアップに加わっていたハートレーは、今年少なくとも3回のミシュラン・エンデュランス・カップのイベントに出場する。2台体制を敷くことでフル参戦ドライバーとなったルイ・デレトラズが担っていた役割を、実質的に引き継ぐことになる。
■“WECに参戦していないアキュラ”での出場は問題なし
WECでは2024年もトヨタGAZOO RacingのGR010ハイブリッドをドライブすることが決まっているハートレーは、Sportscar365の取材に対し、現時点ではミシュラン・エンデュランス・カップに含まれるふたつの6時間レース、すなわちワトキンス・グレンとインディアナポリスに出場するかどうかは不確かであることを認めた。
「それはチャンピオンシップがどうなるかによると思う」と彼は言った。
「少なくともデイトナ、セブリング、プチ・ル・マンには参戦する。どれも素晴らしいレースだ」
「彼らは世界最高の耐久レースに出場できるチームであり、勝つチャンスがあると思う」
「この機会のオファーがあったとき、断ることはできなかったし、トヨタはとても親切で、僕がもう一度それをやることを許可してくれた」
「より多くのレースができることに興奮しているよ。去年もやりたかったけど、ウェイン（・テイラー）からのオファーは直前で、デイトナだけのものだったんだ」
「今年、彼がこの3つのイベントすべてをやろうと電話してきたとき、僕は飛びついた。トヨタは親切にも、僕にそれをやらせてくれたんだ」
「WECはレース数が再び増加している。今季は8レースが予定されているけど、僕のようなドライバーは、以前はもっと多くのレースをこなし、さまざまなチャンピオンシップを戦っていたものだ」
「僕のカレンダーにあと3レースを追加することは、自分にとって良いことだと思う。それは僕を、よりシャープに保ってくれる」
「僕としてはこれは本当に前向きなことだと思うし、再び同じことを許してくれたトヨタには多大な感謝をしなければならない」
ARX-06は現在WECに参戦していないため、トヨタ側からアキュラのファクトリーオペレーションに滑り込むことには、何の対立もないとハートレーは説明した。
「もちろん、両サイドからの最初の話は、どちらの方向にも情報が渡されないということの確認だった。これは非常に明白だ」とハートレー。
「トヨタの観点からすると、現時点では我々は互いに競争をしていないので、彼ら（アキュラ）を競争相手として見ていなかったと思う」
「もし来年アキュラがWECに参戦するとしたら、僕としてはこれをやるのは少し難しくなるだろうね」
2023年のデイトナ24時間を2位でフィニッシュしたハートレーは、チームが2台体制に拡大されたにもかかわらず、優勝に向けて走り出すための要素がすべてそろっていると感じているという。
「ウェイン・テイラー・レーシングはこれまで、常に1台のクルマで参戦してきた」とハートレー。
「2台体制では多くの変化があり、ここに到着するなり、たくさんの新しい顔がいることに気づいたし、僕が知らない人もたくさんいる」
「これらすべての人々を集めて、ひとつのチームとして機能させる。大変な仕事だと思うよ」
「でも、それ以上の可能性があるんだ。これらふたつの車両から得られるデータと、さらなる情報が入ってくるので、チームがそれを最大限に活用できることを願っているし、そうなるだろうと僕は確信している。でも、それは誰にとってもまったく新しい経験となるだろうね」
「理論的には、2台のクルマがあれば、その仕事を遂行できる可能性がより高くなる」
「僕は確信しているんだ。ウェイン・テイラー・レーシングは、このレースを知り尽くしている。彼らは勝つ方法を知っているんだ。どちらのマシンにも素晴らしいチームメイトと素晴らしいラインアップがある。 僕らには必ずチャンスがあると確信している」
