長崎県が海域活断層の評価へ 対馬、壱岐、五島近海に存在 最大震度や津波の高さを対象

 2022年に対馬や壱岐、五島近海に存在することが明らかになった九つの活断層について、長崎県は新年度、想定される地震の最大震度や沿岸部の津波の高さを評価する。陸域に比べ海域の活断層の評価は遅れており、今月発生した能登半島地震も半島沖に延びる活断層が引き起こしていた。
 県は地震アセスメント調査事業として、新年度一般会計当初予算案に1千万円を盛り込む方向で調整している。現在の県地域防災計画には9断層の評価は盛り込まれていない。新年度は震度や津波高を評価。その後、想定される被害や対策を検討するとみられる。
 県防災企画課によると、評価対象は日本海南西部(鳥取-長崎沖)のうち、九州北西の海域を示す「西部区域」の9断層。いずれも政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が22年3月に公表した海域活断層の地震予測「長期評価」で初めて存在が明らかになった。
 地震本部によると、同区域でマグニチュード(M)7.0以上の地震が30年以内に起きる確率は1~3%。同区域では05年3月、M7.0の福岡県西方沖地震が発生し、最大震度6弱を観測。死者1人、負傷者千人以上の被害が出た。江戸時代にも対馬東沖で同規模の地震が発生したとしている。

© 株式会社長崎新聞社