高校生と企業、AIでマッチング支援 県内就職後押し、山形大院生・村上さんが会社設立

事業内容を説明し、自社「シエル」のロゴの前で記念撮影する創業者の村上和隆さん=山形市・ジョージ山形

 高校生と企業のマッチング支援会社が設立され、発表会が22日、山形市のジョージ山形で開かれた。生成系人工知能(AI)を用い、企業に対する高校生の質問や疑問に回答し、企業情報も提供してマッチングを図る。就職活動前に両者を結び付けるサービスで、各個人に合う企業を紹介して県内就職を後押しし、企業の人材確保も支える。

 会社「Ciel(シエル)」を設立したのは、山形大大学院理工学研究科の大学院生・村上和隆さん(25)で、県のソーシャルイノベーション創出モデル事業の一環。高校生向け就職サイトは少なく、就職活動が空前の売り手市場で人材不足に悩む企業や、ミスマッチですぐ離職する若者は多い。事前マッチングで企業を知る機会を提供し、その課題解決を狙う。

 事業では専用ウェブサイトを設け、ネット上の企業情報をデータベース化する。高校生は学習内容や活動歴を登録。対話型AIに質問を入力すると、最適な回答をもらい自分に合う企業を探せる。就活の悩みにも応えてくれる。

 企業には登録情報から自社に合う人材を検索し、職場見学やインターンシップに誘えるサービスがある。高校生は無料で、企業はサービスを受ける場合に年30万~60万円程度の登録料を払う。学生証や名刺で身元を確認し、安全性を確保する。

 村上さんによると、大卒者の就活はスカウトサービスがあり、企業から勧誘を受け就職先を決める学生がいる。高校生のスカウトは規制があるが、職場見学、インターンの勧誘には規制がなく、マッチングに注力することで高校生のキャリア形成への寄与を目指す。

 村上さんは「通常の就活では出会えない高校生と企業を結び付ける」と話す。4月に県内向けサービスを始め、来年4月に県外への提供を始める計画だ。問い合わせは同社にメールで。アドレスはinfo@cielinc.co.jp

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