「観光客が見ているから隠れろ」 名古屋城の石垣での作業中に7m下に転落した作業員を放置し脅した疑い 造園業者の男ら2人を逮捕

2023年7月、名古屋城で石垣の除草作業をしていた男性が転落して大けがをしたにもかかわらず、救急車を呼ばずに放置したなどの疑いで造園業者の男ら2人が逮捕されました。

(転落した男性作業員)
「転落した時には何も動けない状況でした。本当に死ぬかと思いました」

こう話すのは愛知県稲沢市に住む61歳の男性。

男性は2023年7月にアルバイトとして名古屋城で石垣の除草作業をしていた際、足を滑らせて7メートル下に転落しました。

男性は右足や胸の骨を折る大けがで3か月の入院生活を余儀なくされ、退院後も杖(つえ)が手放せない生活となりました。

男性によりますと、医師から「元の体の状態に戻らないかもしれない」と言われるほどの大けがをする事故だったにも関わらず、現場責任者は作業事故を隠すために救急車を呼ばなかったといいます。

(現場責任者の言葉:被害男性によると)
「上で観光客が見ているから隠れろ!見つかったらいかん」

愛知県警は男性からの相談を受けて捜査していましたが23日、名古屋城・石垣の除草作業を請け負っていた稲沢市の造園業「庭源」の社長、佐々木信也容疑者(40)と、現場の責任者だった弟の健二容疑者(33)の2人を逮捕しました。

警察によりますと2人は名古屋城の石垣から転落した男性を数時間放置し、その後に男性を病院へ連れていく際「名古屋城のことは言うな」「自分の会社でやったと言え」などと男性を脅し、医師に対してうその説明をさせた保護責任者遺棄と強要の疑いがもたれています。

警察は2人の認否を明らかにしていません。

警察は2人が作業事故を隠ぺいするために犯行に及んだとみて調べを進めています。

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