本紙連載「アカガネのこえ」が優秀賞 第28回新聞労連ジャーナリズム大賞授賞式 少数派の人権に目を向けた報道評価

授賞式で賞状を受け取る伊藤記者(中央)=23日夕方、東京都内

 第28回新聞労連ジャーナリズム大賞の授賞式が23日、都内で行われ、下野新聞社の連載・キャンペーン報道「アカガネのこえ 足尾銅山閉山50年」を手がけた「アカガネのこえ」取材班(横松敏史(よこまつさとし)、飯田(いいだ)ちはる、伊藤慧(いとうさとし)の各記者)が優秀賞を受賞した。

 選考委員を務めた元毎日新聞記者の臺宏士(だいひろし)さんは「障害者や部落差別、国策に翻弄(ほんろう)される人々など、少数派の人権に目を向けた報道が多かった。活字ジャーナリズムの力を見せつけていただいた」と全体を講評。取材班を代表して下野新聞社社会部の伊藤記者は「足尾の光と影の歴史に目を向け続けていくことが、地元紙の使命だと感じている」と述べた。

 「アカガネのこえ」は足尾銅山の閉山50年に合わせて2023年1月から連載を始め、企業城下町や公害の原点、過疎の町とさまざまな姿を見せる足尾が今に伝えるメッセージを探った。

 本年度の応募は過去2番目に多い計33作品。大賞には西日本新聞社の「人権新時代」など3作品、優秀賞は4作品が選ばれた。

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