F1スペインGPの舞台となるマドリード新サーキット。20のコーナーを備えた公道&私有地のハイブリッドコース

 F1が2026年から2035年のスペインGPをマドリードの新サーキットで開催すると発表し、現時点でのレイアウト案を公表した。

 新しいサーキットは、バラハス地区にあるIFEMAマドリード・コンベンションセンターのそばに建設される。アドルフォ・スアレス・マドリード空港から近く、市内中心部からわずか16kmの場所にあり、バスや電車、地下鉄を利用して行くことができる。プロモーターによると、観客の90パーセントは公共交通機関を利用してサーキットにアクセスでき、近くの宿泊施設からは歩いて行くことができるという。観客収容人数はグランドスタンド、一般観客、VIPを含め一日あたり11万人が予定されているが、数年後には一日14万人まで拡大される計画だ。

2026年から2035年までF1スペインGPが開催されるマドリード市街地コース

 サーキットはIFEMAの敷地とその外にまたがる形で建設され、私有地と公道のふたつのゾーンで構成される。F1のビークルパフォーマンス責任者であり、このサーキットのレイアウト設計に携わってきたクレイグ・ウイルソンは、「通常のストリートトラックのレイアウトと、より常設サーキットスタイルのレイアウトに近いものとの間のデザインだ」と説明し、主催者は“ハイブリッドサーキット”と呼んでいる。

 サーキットのレイアウトの最終仕様はまだ決定していないものの、現時点のプランでは、全長は約5.47km、コーナー数は20で、低速コーナー、中速コーナー、高速コーナーが混在し、オーバーテイクを可能にするためのロングストレートも存在する。F1によると、推定されるラップタイムは1分32秒45だということだ。主催者は、最高速度は300km/h、オーバーテイクポイントは4カ所としている。

マドリード・サーキットのレイアウト

 サーキットレイアウトはさらに微調整され、最終的に多少変更される可能性がある。2026年の初開催を前に、サーキットはFIAの承認を得て、グレード1のトラックライセンスを取得する必要がある。

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