1億円超えも!「ふるさと納税」のいま 大躍進の自治体で何が…宝石やトイレットペーパー、トレーラーハウスで【現場から、】

ふるさと納税では、多くの自治体が様々な返礼品を開発しています。その中で、静岡県沼津市は、寄付額が2023年度の前半で前年度の1年分を上回り、年度の目標額40億円をもう達成してしまいました。

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この大躍進には、どんな工夫があったのでしょうか。

沼津市内にある工房です。手がけているのはジュエリー。宝飾品です。

<金原一隆記者>
「ふるさと納税に出された宝石を見せてください」
<セスタディカラッチジャパン 原正次社長>
「こちらです」

ダイヤを使った指輪の数々。いずれもふるさと納税の返礼品で寄付額が100万円を超えるものもあります。

デザイナーで社長の原さんは沼津市出身で、1989年からジュエリーのデザイン、加工、販売を沼津で続けてきました。

<セスタディカラッチジャパン 原正次社長>
Q.ふるさと納税に参加しようと決めたのはなぜですか?
「沼津に貢献したかったのと、私が育った沼津というところで、私のデザインの根本、根源があるから。沼津にたくさんの税金が入るのはうれしい」

<沼津市ふるさと納税推進室 三澤和也室長>
Q.目玉はありますか?
「ダイヤモンドのブレスレットになります。寄付額が…1億1800万円」
<金原一隆記者>
「一億円超え!ふるさと納税で!」

まばゆいばかりにちりばめられたダイヤは660個。すべて沼津の職人の手仕事で、ダイヤを止めている地金はプラチナだそうです。

<沼津市ふるさと納税推進室 三澤和也室長>
「すでに昨年末、ふるさと納税の寄付がされています」
<金原一隆記者>
「すでに寄付済み!!沼津市スゴイですね」

<沼津市 頼重秀一市長>
「今回、おかげ様を持ちまして、こちらにありますように(寄付目標額)40億円を無事に突破したということでございました」

沼津市は2023年度、ふるさと納税が絶好調。2023年度の寄付額が前半の半年で、すでに前の年度を上回り、市長が掲げた年度の目標40億円を3か月を残し達成しました。

驚異の伸びを見せている理由、高額な品のおかげというわけではありません。

ふるさと納税の利用者が寄付先の自治体を探すのに使う大手寄付サイトです。日用品をみると、沼津市のトイレットペーパーが1番に上がってきます。

<沼津市ふるさと納税推進室 三澤和也室長>
「寄付額1万2000円に対して108ロール、72ロールと量が多い。お得感にも加えて、使い心地の良さの評価がとても高いので、そのおかげでランキングの上位にきて、さらに寄付をしていただいていると」

ふるさと納税の寄付額を増やすためには、寄付サイトで上位になり、利用者の目に止まる必要があります。このために、ラブライブの限定ケースで返礼品を届けるなど、沼津市でなくてはできない魅力のアピールを欠かしません。

「商品自体の魅力」と「話題性」の両方が大切なのです。

<沼津市 頼重秀一市長>
「この寄付金自体が、自治体としてですね、自由に使える財源になるんですよね。自由に使える財源っていうのを確保していくっていうのは本当に極めて大変です。ほんとに1億円稼ぐっていうのはね、ほんとに大変な状況なんですよね」

沼津市では、2023年度から「ふるさと納税推進室」を設けるなど組織を強化。他には無い返礼品を開発するため、地元の魅力を発掘する若手職員のチームも編成しました。

<沼津市ふるさと納税推進室 三澤和也室長>
Q.これもふるさと納税の返礼品なんですか?
「沼津市で作られているトレーラーハウスです」

こちらも2023年12月募集を始めたふるさと納税の返礼品のトレーラーハウス。寄付額は3000万円です。

全長11メートル、幅3.4メートル。車輪がついていて、移動が可能。トイレと洗面所を備えて、事務所などとして使うことができます。

<ビルドイースト 石澤浩一社長>
Q.企業経営者のみなさんは、ふるさと納税に対してどう動いている?
「沼津市と一緒に自分たちの会社が社会に認知していただけるのかを含めて、いろいろな意味で『市のため、街のため』になる第一歩として興味を持っている」

参加する地元企業は、街おこしと知名度アップが両立できる。大躍進している沼津市のふるさと納税は、市内外から注目されています。

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