風力政策 宮下青森県知事と高校生、白熱の議論 提言に次々質問

風力発電政策を巡り、高校生と議論を交わす宮下知事(右)=24日、県庁

 青森県内の高校2年生4人が24日、県庁で宮下宗一郎知事に、洋上風力発電に関する政策提言を報告した。「自治体が税金で投資を」との主張に、宮下知事は「売った分が投資より少ない場合はどうするか」など立て続けに質問。高校生側も「(青森県の)潜在的な可能性を長期的に見れば利益が出る」と返し、予定時間を過ぎて記念撮影を終えても熱いやりとりが続いた。

 報告したのは成田涼介さん(八戸高)、福島美音(みこと)さん(同)、髙山慎之介さん(青森高)、武石真柊(ましゅう)さん(むつ工業高)。4人のグループは、高校生を対象に県ITER計画推進会議が昨年12月までに行ったワークショップで「国内最先端のエネルギー都市に」を打ち出し、自治体による蓄電池などへの投資や、発電技術者支援センターの設置などを提言して、最優秀賞に選ばれた。

 宮下知事は「(利益を)何に使うかは考えたか」との問いかけを皮切りに、収益構造などを次々に質問。高校生たちが答えに窮する場面もあったが、「お金だけではなく、どういう産業を形成するかも大事」と教えていた。

 15分の予定時間を10分超過。宮下知事は「将来の日本、青森は何が正しいのかを考え抜いてやるのが政策」と強調、「今回の経験を生かし頑張ってほしい」とエールを送った。

 風力発電を巡って、宮下知事は再生可能エネルギー新税制度、立地禁止区域を設けるゾーニング条例の整備といった政策を掲げている。

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