松山先輩との“焼き肉”も力に? 久常涼が堂々の2位発進

ラウンド中は終始笑顔だった久常涼(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 初日(24日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇サウスコース(7765yd)、ノースコース(7258yd、いずれもパー72)

「フェアウェイにポコポコと入れて、ポアナも特に気にせず」。トリーパインズの攻略プランを独特の表現で語っていた久常涼は、まさにそのプラン通りの戦いをみせ、ノースコースで8バーディ、1ボギーの「65」というハイスコアをたたき出した。首位に1打差、7アンダーの2位と絶好のポジションだ。

フェアウェイキープ率85.7%(12/14)、パーオン率も83.3%(15/18)とショットが冴えた。出だしから3番まではパーを並べたものの、4番で約3mのバーディパットを沈めてから勢いづく。続く5番(パー5)もチップインイーグル寸前というアプローチをみせて連続バーディとすると、8番でスコアを落とした直後の9番(パー5)から3連続バーディ。その後も安定したプレーをみせて、最後までスコアを伸ばした。

5番パー5ではチップインイーグル寸前のアプローチを披露(撮影/服部謙二郎)

好スコアの要因について「月曜からの雨で、グリーンとか少し軟らかい状態だったのが良かったです。自分は少しウェットな状態が得意なので、それが今日うまくはまったかなって感じです」と、天候も久常に味方をした。「今日はグリーンが止まりやすいというマネジメントで戦いました」と振り返る。

ルーキーシーズンの3試合目にして、フィールドもそこそこ厚い中で2位発進とは恐れ入るが、本人は「ラッキーでした」とどこ吹く風。ラウンド中も終始リラックスし、キャディとの会話では笑顔を絶やさなかった。「今日はとてもいい流れでプレーできました。そういった意味ではリラックスしてできていたのかな」。21歳の新人に緊張というものはないのだろうか。

この日一番良かったバーディについては「ごめんなさい。あんまり記憶ないっす。印象も特にないんで」とかわされた一方、思い出したかのように「あ、でも(バーディ量産は)昨日、松山さんに焼肉をごちそうしてもらったおかげかもしれないです(笑)」とおどける。米ツアーの大先輩に近づき、しっかりとアドバイスをもらうあたりは、もはや頼もしさすら感じてしまう。

2日目はスコアが出にくいとされるサウスコースでプレーする。雨で練習ラウンドができなかった久常にとって“ぶっつけ本番”となるが、「(今日と)同じような感じでフェアウェイをしっかり捉えていければチャンスはあるんじゃないかなと思ってます」と、サウスコースでも“ポコポコ作戦”を貫くつもりだ。

取材エリアに呼ばれて英語で受け答え(撮影/服部謙二郎)

上位者が呼ばれる取材エリアに連れていかれ、海外メディアの質問に通訳なしで受け答えしている姿は実に堂々としていた。21歳の青年はいったいどこまで階段を駆け上がっていくのか、残り3日間が楽しみでならない。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)

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