青森・つがる市の突風「竜巻と推定」 風速50メートルか

野球場のネットに引っかかったトタンなどを調べる青森地方気象台の調査班=25日午前10時50分、つがる市の木造中学校

 24日昼前、青森県つがる市の木造中学校付近で住宅のトタン屋根が剥がれて飛ぶ突風が発生したことを受け、青森地方気象台は25日、被害状況や目撃証言などから、突風は竜巻と推定されると発表した。24日午前11時40分ごろ、市中心部の木造千年から柏玉水までの東西約1.6キロにわたって発生したという。突風の強さは風速約50メートルと推定した。

 同気象台は25日、機動調査班5人を派遣し、同校敷地や周辺などを調査。同校関係者が宙を舞って飛んできた-と証言するトタンなどのがれきや、建物の被害状況を確認。市や市民からも情報を集めた。

 渦の目撃証言が複数得られたこと、被害や痕跡が帯状に分布していたこと、当時発達した積乱雲が通過中であったことから、突風は竜巻と推定。西から東方向へ一直線上に移動したという。風速約50メートルは木造住宅の屋根の下の板の破損、飛散から判断。突風の強さを示す「改良藤田スケール」で、6段階中2番目に弱い「JEF1」に該当する。

 市によると24日昼前、被害が目立った同校や屋根が飛んだ付近の住宅だけでなく、ここから東にある柏玉水の4カ所でもシャッターが壊れたり窓ガラスが割れたりする被害が発生。同気象台は竜巻の影響とみている。当時、県内全域に暴風雪警報が出され、大気の状態は非常に不安定だった。竜巻などの激しい突風が発生する可能性があったという。

 県防災危機管理課によると、24日の暴風雪による建物被害はいずれも同市の住家で、半壊1棟、一部損壊2棟だった。

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