「こんなに降るとは」 珠洲の避難者、立山で雪驚き

雪に埋もれた車の除雪に取り組む珠洲市の避難者=富山市内のホテル

 能登半島地震で大きな被害を受けた珠洲市から集団避難し、立山山麓にある富山市内のホテルに滞在する住民が、山の雪深さに戸惑っている。「想像以上。こんなに降るとは」。自家用車で2次避難した被災者は25日も雪で埋もれた車の除雪に疲れた表情を見せた。

 ホテルによると、23日からの大雪で、周辺の積雪は1メートルを超えた。「さすが立山。1晩でこれよ」。夫婦で避難した谷信次さん(73)=宝立町=は24日も除雪したが一夜明けるとまた車が埋もれ、ため息をついた。車の上には高さ50センチ程の雪が積もっており、スコップで懸命にどかした。

 家族5人で身を寄せる石田佐和子さん(43)=大谷町=は「大谷はこんなに積もらない」と車の前で苦笑い。北アルプスの冬を体験し「自分は何とかなるが、高齢者は大変だと思う」と気遣った。父の武志さん(68)は「ホテルでは食べて寝るだけなので良い運動になる」と汗を流した。

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