富山県射水市本町3丁目(新湊)のスーパー「カモン食品館」が26日で閉店する。運営する新湊商業開発(宮林正仁郎社長)によると、近隣店との競合や人口減少に伴う市場縮小、電気代高騰などによる業績低迷に加え、能登半島地震の発生を受けた売り上げ減少で資金繰りが悪化した。
同館はカモン新湊ショッピングセンター(SC)1階に構え、新湊産を中心とした新鮮な魚を売りに市内外から買い物客を集めた。地震による深刻な建物被害はなかったものの、客足は落ち込み、今月2~10日の売り上げは例年同期比で約4割減った。
同SCは1973年に「トーカマート」としてオープンし、鉄骨鉄筋コンクリート造一部4階建て。新湊商業開発によると、同SCも近く閉店する見通しで、入居する内科医院や託児施設の今後については検討中としている。
同SCが位置する新湊地域中心部は高齢者が多く暮らすエリアで、同館は地元のお年寄りにとって徒歩や自転車で買い物ができる身近なスーパーだった。
25日に同館でパンや魚を買った同市善光寺(新湊)の男性(76)は「地域密着型の店がなくなるのは寂しい。車を持たない高齢者は今後どこで買い物をすればいいのか」と話した。