病院内で医薬品配送 自動運転ロボ「デリロ」 実証実験 長崎のIT企業など連携

デリロにアルコール綿やマスクを入れるスタッフ=長崎市、虹が丘病院

 ロボット開発ベンチャー企業ZMP(東京)の自動運転宅配ロボット「DeliRo(デリロ)」で医薬品を運ぶ実証実験が今月、長崎市内の病院であった。労働力不足を解消するため、市内のIT企業などが連携し、配送業務の省人化サービスの構築を目指す。
 デリロを導入しているシステム開発会社NDKCOM(コム)(長崎市)を主体に、プロモーション会社フラコミュニケーションズ(大村市)、医療系に強いシステム開発会社オフィスメーション(長崎市)が共同で取り組む。情報関連産業分野で、3社以上が共同する事業を支援する県の補助金(上限500万円で補助率2分の1以内)を活用した。
 実証実験は22、25の2日間、長崎市内の2病院で行われ、虹が丘病院(虹が丘町)では、同じ階にある保管庫から薬局まで荷物を運べるか試した。事前に走るルートを決め、プログラミングを作成。デリロはアルコール綿とマスクを受け取ると、往来する病院関係者や患者にぶつからず、最大時速6キロで約40メートルの道を進んだ。
 NDKCOMの担当者は「通信環境に左右され、動きが止まることがあった。安定するように改善したい」と課題を口にした。
 将来的には施設間運搬や消費者への宅配も視野に入れる。2月1~5日は大村市玖島1丁目のボートレース大村で実証実験する予定。フードコートがある棟から、ロイヤルスタンドがある棟へ屋外を走行して料理を配送する。

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