23年サービス価格、2%上昇 企業向け、32年ぶり高水準

日銀本店

 日銀が26日発表した2023年の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100、速報)は、前年比2.0%上昇の109.1だった。伸び率は2年連続で拡大し、消費税増税の影響を除くと1991年の3.0%以来、32年ぶりの高水準だった。コロナ禍からの経済正常化を背景に宿泊料が値上がりしたほか、原材料や人件費の上昇を価格に転嫁する動きもあった。

 同時に公表した23年12月の価格指数は、前年同月比2.4%上昇の110.4だった。伸び率は11月から横ばいだった。

 企業向けサービス価格指数は企業間で取引されるサービス価格の変化を示す。価格に占める人件費の割合が高いため、日銀は賃金と物価の関連を探る上で重視している。月次ベースでも上昇率は緩やかに拡大しており、24年春闘の結果を受けてサービス価格がどう変化していくのかが今後の焦点となる。

 23年の年間ベースの項目別を見ると宿泊サービスが前年比38.3%、国内航空旅客輸送が7.6%上昇。人流回復が影響した。機械修理は部品の値上げなどを転嫁する動きがあり3.8%上がった。

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