アートで彩る鎮守府 ライトアップや公園のレトロ似顔絵… 佐世保市でイベント開催中

旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館に展示された靴のイラスト

 長崎県佐世保市平瀬町の旧海軍佐世保鎮守府凱旋(がいせん)記念館(市民文化ホール)の建設100周年を記念した「アソボ サセボ アートロード」が始まった。アートで彩られた市街地の4会場を周遊しながら鎮守府の歴史を学ぶ企画。フォトコンテストでは同記念館を貸し切る特賞を設けるなど、市民参加型のイベントとなっている。2月22日まで。
 佐世保観光コンベンション協会主催。旧日本海軍の港町として栄えた佐世保の各地に残る日本遺産「鎮守府」をPRする。同記念館と周辺の浜田公園、佐世保公園、島瀬公園にアート作品を設置し、“つながる道”をコンセプトに鎮守府関連スポットを巡る。
 1923年5月に建設された同記念館では、未来への新たな一歩のイメージで、靴のイラストを展示。佐世保出身で佐賀在住のアーティスト、ソエジさんがライフワークとする「路靴」が並ぶ。市民らから公募した思い出の靴を作品化。QRコードを読み取ると、12人の靴についてのエピソードを見ることができる。
 また、同記念館はイベントの一環として日没後、4色のアートロードカラーでライトアップされている。

ライトアップされた旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館。下は通行車両の光跡=佐世保市

 浜田公園には、福岡在住の谷週さんによる巨大な円柱状のオブジェが出現。公募した14組のモデルの似顔絵をレトロな作風で表現している。佐世保公園の作品は長崎出身、埼玉在住のたにむらあさみさんが担当。絵本のような物語がパネルで楽しめる。絵の間違い探しコーナーもあり、島瀬公園に登場した、あみだくじ形式のイラストで、答え合わせができる。

浜田公園に設置された円柱状の似顔絵のオブジェ=佐世保市

 会場の地図などを掲載したパンフレットを佐世保観光情報センターなど各施設で配布している。スマートフォンによるスタンプラリーも実施。鎮守府、グルメ関連の20カ所が対象で、特産品などが当たる。フォトコンテストはアート作品会場で撮影した写真を募集。特賞1点のほか、入賞者には各アーティストの作品がプレゼントされる。
 同協会は「日本遺産のスポットを、タイプの違うアートでつなぐイベント。市民、観光客を含め、ゆっくり歩いて楽しんでほしい」としている。

© 株式会社長崎新聞社